東京オリンピックの代表選考会レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が開催され、中村匠吾が優勝、服部勇馬が2位となり東京五輪への切符を手にしました。日本記録保持者の大迫傑は3位、設楽悠太は10位となり今後のレースに全てを託すことになります。
東京五輪への残り1枠の選考方法と、川内優輝らの動向等ついて紹介します。
#大迫傑が五輪内定逃す…中村匠吾、服部勇馬の箱根元エース2人が五輪切符 (スポーツ報知) https://t.co/OA3KHKpjlq #linenews
— @akitann991 (スポーツ関連) (@akitann991) 2019年9月15日
各選手の順位と記録は以下
1位 中村匠吾(富士通)2:11:28
2位 服部勇馬(トヨタ自動車)2:11:36
3位 大迫傑(Nike)2:11:41
4位 大塚祥平(九電工)2:11:58
5位 橋本崚(GMOアスリーツ)2:12:07
6位 竹ノ内佳樹(NTT西日本)2:12:31
7位 鈴木健吾(富士通)2:12:44
8位 中本健太郎(安川電機)2:12:46
9位 藤本拓(トヨタ自動車)2:13:58
10位 岡本直己(中国電力)2:14:55
14位 設楽悠太(Honda)2:16:09
女子と違って各企業に戦力は分散しているようです。女子はプリンセス駅伝などが人気だからでしょうか。
日本記録を更新して1億円を手にした設楽悠太と大迫傑(現日本記録保持者は大迫傑)が本命視されていましたが、まだ知名度の低い2人がまずは東京五輪出場を決めました。これからマスコミなどの取材が増えてくると思いますが、うまくコンディションを作って欲しいです。
中村匠吾の師も喜び
中村匠吾選手は駒大時代の大八木弘明監督によって、東京五輪から逆算し7年計画で育成され大成したようです。
以下大八木弘明監督のコメント
「ラストスパートのタイミングが早いか、と思ったが、よく粘った。大迫、服部に競り勝ったのは大したもんです。中村はどんどん強くなっている」
駅伝では「男だろ!」と叫び選手達を鼓舞し、一部では精神論者とも揶揄されていましたが今回その指導力を証明しました。スピードは世界トップクラスに及びませんが、暑さにも強そうなので荒れてくればチャンスがあるかもしれません。
川内優輝がMGCを辞退した理由
東京五輪への出場を考えるならばMGCへの出場は何よりも優先すべきです。
しかし川内優輝選手はMGCを辞退し、ドーハで行われる世界選手権を優先しました。これは川内優輝がアマチュアではなくプロランナーであること、あとは彼は暑さに極端に弱いので勝算の低い今回のレースを回避したと言われています。
MGC参加者を賞賛する川内優輝
ツイッターでコメントされていました。
レース前から本命視されて、相当なプレッシャーを受けながらも、自分のレースを貫いて結果を残した選手は本当に強いと思います。
男子も女子もドーハ世界陸上に向けて、とてもモチベーションが上がる素晴らしいレースでした。 https://t.co/1OayinA0pZ— 川内 優輝 Yuki Kawauchi (@kawauchi2019) 2019年9月15日
前半の設楽選手に反応せずにスローで入り、中盤で一度14分台〜15分一桁を刻んだ男子。
前半の一山選手に反応して、ほぼ全員突っ込んでいった女子。
ラップタイムを見ると、今日の気温でも四谷の坂やラスト2.195kmでの走りにかなり差が出たように思えました。— 川内 優輝 Yuki Kawauchi (@kawauchi2019) 2019年9月15日
無理に5kmラップで14分台を刻むことをせずに、38km付近まで先頭集団に残って、4位、5位、6位、8位に入った大塚選手、橋本選手、竹ノ内選手、中本選手。
序盤から遅れながらも、ラスト7.195kmは女子で一番速く5位に入った野上選手のような走りは「入賞」を目指すために、私に必要な走りだと思いました。— 川内 優輝 Yuki Kawauchi (@kawauchi2019) 2019年9月15日
さすが元公務員。いい意味で事務的な分析に終始しています。
ちなみに日本陸連の瀬古利彦氏は川内のMGC回避について苦言を呈しています。
「彼は暑さに弱いんですよ。ドーハは夜中の12時にスタートなんで。砂漠ですから、朝晩涼しい、砂漠ですから。だからそっちを選んだという」
「我々だってね、オリンピック目指してるわけですよ。MGCだって盛り上げなきゃならないのに、ドーハは困りますよねぇ」
瀬古利彦さんも自身の現役時代に不透明な選考で物議を醸したことがありますので、MGCにかける思いが強いのでしょうか。とはいえ選択は自由なのでこれはちょっと行き過ぎた発言でした。
東京オリンピックへの選考方法は
3枠のうち2つは今回のMGCで決定しました。残り1名は今回3位となった大迫傑選手の持つ日本記録を、日本陸連が指定した対象レースで更新する必要があります。
選考レースは以下
第73回福岡国際マラソン選手権大会
東京マラソン2020
第75回びわ湖毎日マラソン大会
日本記録は2時間5分50秒ですので、それを更新する必要があります。相当厳しい条件ですが、設楽悠太は潜在能力が高いので可能性がないわけではありません。
冬のレースかつペースメーカーもいるようなので設楽悠太選手はまだ諦めていないはずです。他の選手達はちょっと難しいかもしれません。川内優輝もタイムで勝負するタイプではないので、残り1枠は大迫傑が濃厚、設楽悠太に若干のチャンスありといったところでしょうか。
川内優輝は気候等条件次第では期待できるマラソン選手なので東京五輪出場を期待していましたが、ちょっと厳しくなりました。
ネットの反応
優勝した中村匠吾、ゴール直後、恩師の大八木監督と抱き合って優勝を分かち合ってたのは泣けるよ😭 今でも大八木監督の指導を受けてるんだってね。卒業後も指導を受けられるっていいね!☆ミ
中村匠吾と同じく駒澤OBの大塚祥平も4位!☆ミ 駒澤OBって大成する人が多い気がする。#MGC
— ナカジー (@mechanic_sports) 2019年9月15日
この形が一番いい
一年先調子がいいかどうかは別として— マイン (@YTH2oPlEQpi4vc6) 2019年9月15日
ソウル五輪男子マラソン代表の選考レースでの瀬古の救済措置は30年以上経っても後味が悪い。アメリカのように五輪直前の全米選手権一発選考はクリアな選考基準だ。村上選手を落としたら団体では五輪に出れないならそれが現時点での実力なのだから潔く救済しない方が今後のためになると思う。
— シャトゥーン (@shatwun) 2019年6月9日
優勝した中村匠吾選手、
38km過ぎで嘔吐してるね。
相当過酷なレースだったのだろう。— 孫悟健@超サイヤ健康人 (@HMBetaTOR) 2019年9月15日
MGC取った中村の接地は典型的なヒールストライク。自分にあったフォームで走るのが大事だよな #MGC #中村匠吾 #男だろ
— こーへい (@kooohei123xxx) 2019年9月15日
今日のMGCを見て、後悔したこと
アナ「服部勇馬選手はどんな選手ですか?」
増田明美「イケメンですね~」
という返しが聞けなかったこと— やまもと (@hy_nanoMann2712) 2019年9月15日
設楽悠太負けてしまったけど、あの勇気はすごいと思った。
— 猿人サル (@Pinerose5) 2019年9月15日
大逃げした設楽悠太はアカンかったのか
シタラターボやったな。サイレンスシタラになれず
— け→えす (@k_s729) 2019年9月15日
報道カメラマンのバイクが近すぎてこわい
— m_ikan (@m_ikan_m) 2019年9月15日
まあ大迫はほぼ確定だろう💭
— T (@takatakako789) 2019年9月15日
大迫3位、設楽14位って皆想定外でしょ
中村匠吾勝負強いなぁ— はっぱ (@happadaze531) 2019年9月15日
設楽悠太くんはキロ3で押さずに3′03″~05″で安全に刻んでたら逃げ切れたのかなぁ
そもそも「余裕を持つ」ことが我慢できないだろうから仮定するだけ無意味だけどさ— 怪走子 (@kaisoukid) 2019年9月15日
男子マラソンの選手選抜のタイムが2時間5分48秒ですから随分ハードルの高い選考基準じゃないかと僕は思いますが陸連はマラソンでメダル獲得を本気で視野に入れてる考えがよく伝わって来ます。ここ数十年以上日本はマラソンで勝てない状況が続いているので誰か現状打破をお願い致します。
— あんかけチャーハン (@adams4624) 2019年5月18日
男子マラソンでメダル獲得の条件は
単純な実力勝負ではアフリカ勢にもう勝てない時代になってしまいました。
しかし東京の高温多湿の気候を外国人は苦手にしているようなので、当日劣悪な条件になれば誰が勝つか分からない泥試合になって勝機があるかもしれません。その時は日本代表選手と死人が出ない事を祈りながらマラソンを応援しましょう。
男子が最後にメダルを獲得したのは、バルセロナ五輪の森下広一さんです。かれこれもう30年近く縁がないので何とか頑張って欲しいですね。