ドラゴンクエストのフルCG映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」で、小説版ドラクエシリーズの主人公の名前をそのまま使用していた問題で、小説版の原作者久美沙織の怒りが収まらず、民事裁判だけではなく刑事告訴する意向を明らかにしました。
何故ここまで拗れてしまったのか、今回の映画化に至った経緯など考えてみます。
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本日、ドラクエ5小説原作者の久美沙織さんから、ドラクエ映画を刑事告訴した旨ご連絡いただきました。
その際の声明を公開させていただきます。#ドラクエ映画
【イベント】ドラクエ5小説原作者がドラクエ映画を刑事告訴…https://t.co/WywLIcdxSo— DQフリ編集部 (@dq_free_dq) 2019年12月13日
映画より裁判の方が面白くなってしまいました。
ドラクエシリーズの著作権はスクエニ及び堀井雄二さん(楽曲はすぎやまこういちさん、イラストに関しては鳥山明さん)が持っていますので、久美沙織さんは二次創作物の著作者ということになります。
二次著作者が大元の著作者スクエニと正規の契約を結んでいるであろう制作委員会を訴えるという、やや歪な構造になっていますが、久美沙織は二次創作にあたって印税の一定%をスクエニに支払っていたはずなので、二次創作で新たに生み出されたキャラクターの著作権は久美沙織に帰属します。
スクエニがどういう立ち位置がはっきりしませんが、今のところは傍観ですかね。久美沙織の怒りの矛作はスクエニではなく映画の制作委員会です。
そこそこの売れっ子久美沙織さんとしては、名前をクレジットしてもらって気持ち程度のお金の支払いがあればここまでの行動に出なかったはずなので、映画製作委員会から余程酷い対応をされたと見ている方が多いです。
小説版ドラクエの「リュカ」を使用した理由は
この映画の原作はドラクエ5天空の花嫁です。
映画を見る限りでは脚本家も兼任していた山崎貴監督が、ゲーム版のドラクエ5を理解していない節があるようです。とりあえず世界観を理解するため、面倒なゲームではなく小説版ドラクエ5を読んでそのまま名前を流用したのではないかという気がしています。
僕の中での「ドラクエを映画にする際に絶対やっちゃいけないこと」とは、①製作委員会方式で大予算を集める②山崎貴に脚本を書かせる③鳥山明のデザインを勝手に改変する④声優を客寄せ芸能人で固める。これだけの過ちを全て平然と犯してる予告を見た時点で原作への敬意も理解もない事は明白だった。
— TAKUMI™ XENO発売中 (@takumitoxin) 2019年8月6日
ドラクエ映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の評判は少なくともファンには非常に悪かったです。それも相まって小説版ドラクエ5原作者の怒りを買ってしまったのかもしれません。
多少なりともゲーム版のドラクエ5をプレイして、名前をゲーム版主人公の「アベル」にしておけばそもそも今回の問題は発生しませんでした。二次創作物に関する著作権を甘くみていたんでしょうか。
刑事告訴は受理されるのか
容疑は、詐欺または背任または業務上横領、不正競争防止法違反、著作権法違反とのことですが、民事ならともかく刑事告訴はちょっと厳しい気がします。とはいえ久美沙織さんも作家としての尊厳を守るための行為で、刑事告訴の結果についてはそれほど気にしていないかもしれません。
(久美沙織さんはドラクエ5発売前後の頃かなり売れた作家で、ドラクエファンにも好意的に受け入れられていました。売名の線はあり得ないと思います)
岩見沢の玉ねぎ買ってきました。 pic.twitter.com/xa6THHAinF
— くみさおり (@kumisaori) 2019年12月13日
↑ 久美沙織さんのツイッターアカウント。
山崎貴監督は東京五輪の開会式、閉会式の演出メンバー
ドラクエ映画への怒りを聞くたびに、山崎貴監督が統括する来年のオリンピック開閉会式が、心配になる。
"キーワードは「体験」"
"バーチャル世界などが発達しているだけに、体験することがより重要な意味を持ってくる。人間本来の姿を取り戻すためには大事なことです。"https://t.co/aqYP8U9Myr— 石渡 昌太 (Shota) (@crow_coffee) 2019年8月5日
万が一刑事告訴が受理された場合、東京五輪の担当を外されてしまう可能性もあるでしょう。そこまで考えて久美沙織が今回の行動に踏み切ったのだとすれば、余程強い恨みを持っていたのかもしれません。
リュカが出てるから観に行った客も
小説版のキャラクターが出てるからと劇場に足を運んだ客は少なからずいたようです。
久美沙織さんの件はちょっとねー、一言ないのかよって思った てっきり久美沙織さんのリュカくんだと思ってたもん💦 なんで名前使っちゃったのかな💦
— カンナミツキ (@himenousagin) 2019年8月4日
これを狙ってのことだとは思いませんが、詰めの甘さによって結果的にそうなってしまったので、名前のクレジットなり多少の使用料の支払いなりしておくべきだった気がします。
ドラクエのユア・ストーリーが著作権の刑事裁判となったことで円盤が出ない可能性が出てきたのか
酷い映画だから観に行ってきたほうが良いと多くのぶち切れ民が薦めてきてくれたので観てきたが
アレは酷かった
思い入れ補正があるので尚更まぁこのままブオーンみたく封印されていればいい pic.twitter.com/IMD4norW0l
— 松山 国虎 (@B5N2_J_334) 2019年12月13日
需要があるかは分かりませんが円盤が出ない可能性も出てきました。
山崎貴監督に同情の声も
かなり少数派です。
久美沙織「リュカの名前を勝手に使うな!訴える!」
いやいや、ドラクエはあんたの物じゃないだろ
〜映画ドラクエ鑑賞後〜
公開中止になるまでやれ!!!
絶対許すな!!— 後ろからマンゾク (@maskdelupin) 2019年8月3日
昨日ドラ泣き→今日ドラクエYSの裁判沙汰、山崎貴監督は多分悪くないのに凸凹で瞬間瞬間一生懸命さを感じる。
— METHIE (@METHIE34) 2019年12月13日
ネットの反応まとめ
ドラクエが大好きです。自分の一部です。
製作委員会の皆さん、お願いですから久美沙織さんへの失礼な態度を改めてください。法律の問題ではありません。ドラクエを愛するみんなの気持ちをわかってください。 リュカは、ファンのみんなの中では久美沙織さんのリュカなんです。— t* (@msttotmm) 2019年8月4日
ドラクエ映画くん、ツイッター軽く眺めるだけで
・クレジットに鳥山明先生の名前が無い
・リュカの名前を久美沙織先生に無許可で使う
・監督がドラクエV未プレイ
・オチがクソ
みたいなアレな情報がガンガン流れてくる— ラッパ (@Rappa86) 2019年8月3日
そうか〜RT
気になってたけど、個人的には残念な結果。
まだ、裁判の結果が出ていないので正否がどちらか分かりませんが、
仮にスクエニが正しくても、訴えを起こされたということは久美沙織さんへの対応が不十分で寄り添えなかったということなので、そういう意味で残念な気持ちです。— むさし@ドラクエ@観劇@ドラクエ11s (@MusashiClassic) 2019年12月13日
久美沙織がお金を求めない名誉に関わる民事裁判にしてたのに刑事で訴えられるって本当によっぽどな気が
— 𝔉𝔲𝔧𝔦𝔴𝔞𝔯𝔞 (@nyormun) 2019年12月13日
私もリュカって名前を見て小説版準拠なのかと思ったんだけど。
久美沙織さん刑事告訴したのね。
個人的には、映画を見て「騙された」「思い出を台無しにされた」と思った人も告訴できると思います。— 瑞月 (@mitsukikom) 2019年12月13日
今回のあれこれは相手の半分を殺してるようなものなんじゃないかな…と思うし、リュカは久美沙織のリュカであり久美沙織なんだろなと…
— 九画 (@ivnoya) 2019年12月13日
その話大分前に見て音沙汰ないから静かに和解したのかと思いましたけどダメダメだったんですね…
私はゲーム原作の小説は久美沙織さんの5が初体験で思い出深いしリュカの名前も好きなので、久美さん頑張れって気持ちでいっぱいです— 古本・P・ブリッジズ (@ry0_furum0t0) 2019年12月13日
公開されていた久美沙織氏の意見を読んだが納得出来る無理のない範囲の要求だと思われた。勝訴自体は難しいかも知れないが、これで氏がどんな対応を受けたか分かった気もする。応援したい。 / “「ドラクエV」小説版原作者が映画「ユア・ストーリー」製作委員会を刑事告訴 …” https://t.co/8pvzjDLM0R
— 人でありクマである (@hobo_king) 2019年12月13日
名前そのまんまだったしな。
作者の久美沙織さんがせめてクレジット載せてって言ってもガン無視してたみたいだし。
映画の内容的にも…うん…まあ…_(:3」∠)_「ドラクエV」小説版原作者が映画「ユア・ストーリー」製作委員会を刑事告訴 詐欺や不正競争防止法違反などで https://t.co/TN27kMYPkV
— ka0_0tsu@ハシビロコウ㌠ (@ka0_0tsu) 2019年12月13日
ちなみに、小説版ドラクエⅤは滅茶苦茶重い話ですが、めちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでほしい!!111
ゲームとは違った久美沙織さんの良さが出ているいい作品です!— 天空 薙@C97 3日目南1オ08b (@tennkuunagi) 2019年12月13日
【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】リュカの名前で久美沙織が訴えてるらしいが、そりゃそうだよな。リュカの名前を使うなら、久美沙織に断り入れるべきだし、入れたくないなら(笑)、アベルでいいんだから。
— 河合郷広 (@kawaisatohiro) 2019年8月13日
ドラクエ映画、内容以前にスタッフロールに鳥山明さんと久美沙織さん(※「リュカ」の名付け親)が全くない一点で既にアレです
— カツ 11/17 (@Nozomi_musyo) 2019年8月4日
山崎貴さんは「ALWAYS 三丁目の夕日」も監督しており業界ではかなり評価されているようです。
ドラクエ映画に関してはゲームの世界観を理解せず、安易なメタネタに逃げたのは残念です。原作ファンの集客を見越した映画化なわけで、であれば原作に対する最低限の筋は通すべきです。今回は二次創作者の久美沙織さんとゲームを軽んじていた結果ですかね。丸く収まるといいですがどうなるでしょうか。