逮捕後保釈されていた元日産CEOカルロスゴーンが日本から出国、レバノンに逃亡した問題で、ゴーン氏の弁護を担当していた弘中惇一郎弁護士の会見での「逃走の罪にはあたらない」「出国手続き以外では犯罪行為はない」「犯罪レベルの話ではない」との発言がかなり批判されています。
弘中弁護士の会見と逃走罪の有無、ゴーン氏逃亡は誰が悪いのか責任の所在について紹介します。
【出国は犯罪ではない】カルロス・ゴーン被告の逃走について、弘中惇一郎弁護士「出国手続きは引っかかるけども、逃走罪は刑務所や留置所から逃げるやつが逃走罪なので、条件に違反して勝手に出たのは逃走の罪ではないから、犯罪というレベルの話ではない」 pic.twitter.com/DNlTBZAnTk
— Mi2 (@mi2_yes) 2019年12月31日
会見では「(ゴーンの逃亡は)勿論許されない事」とも言っています。
自身が法的な責任に問われることがないことを伝えつつ、カルロスゴーン逃亡による世間の怒りの矛先が自身に向かわないようバランスをとる意図があったんだろうと思いますが、やや甘く見ていたのか、ネットではこの弘中弁護士に批判が集まっていました。しばらくはゴーンではなく自分を弁護するターンとなりそうです。
【ゴーン被告の旅券携帯、地裁が許可】
東京地検は海外逃亡の恐れが高いとして反対していました。
弘中惇一郎弁護士は2日、「地裁と協議して鍵付き旅券を所持していた経緯を失念していた」と釈明しました。https://t.co/im1Qo6mCkU— 産経ニュース (@Sankei_news) 2020年1月2日
最新の報道では鍵付き旅券を所持していたことを失念していたと滅茶苦茶な情報も。
逃走罪ではないがその他犯罪行為の可能性
逃走の罪とは弘中弁護士も言っていたように、刑務所や拘置所から逃げる行為に対してもので、今回のカルロスゴーンのように保釈中に逃亡は逃走罪には当たりません。(逃走の罪は1年以下の懲役刑。それまでの刑期に加算されることに)
入管法25条
本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする外国人(乗員を除く。次条において同じ。)は、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならない。
2 前項の外国人は、出国の確認を受けなければ出国してはならない。— 葉月二十八 (@haduki28th) 2019年12月31日
但しゴーン氏が日本から出国するにあたって、東京の自宅から他見の空港まで無許可で移動したことなども、保釈条件に違反している可能性がありますし、その他にも出国手続き以外に犯罪行為がないと、逃走に加担していないと主張している弘中弁護士が言ってしまうのは、いささか疑問に感じるところはありました。ゴーンの出国に一切加担していないのであれば彼の与り知らないところで何らかの法律違反があったかもしれません。
といってもさすが有能な弁護士さん、現時点で言質を取られ法的な観点で糾弾されるような致命的な発言はありませんでした。
弘中弁護士の責任は無し!批判は的外れである
同じく弁護士の嶋﨑量なる方が弘中弁護士への批判は的外れと発言しバズっていました。
弘中弁護士ら弁護人には同情せずにはいられません。保釈条件のパスポート管理に問題があるとか、逃亡に関与したとかでもない限り、弁護人の責任を問うのは的外れとしか思えない。
最大の責任はゴーン氏本人にあり、さらには映画のような逃亡劇を許した出入出国管理に問題は無いか検証も必要。 https://t.co/aGZQAowHe7— 嶋﨑量(弁護士) (@shima_chikara) 2019年12月31日
弘中先生に責任あるわけねえだろう。責任があるのは本人、手助けしたやつ、監視に失敗した警察と検察、出国をさせた入管行政担当者、だろう。裁判所を批判するのも筋違いで、逃亡の恐れの説明に失敗した検察の問題だよ。
— 高橋雄一郎 (@kamatatylaw) 2020年1月1日
彼らが言っているのは恐らく法的な話ですね。批判している方は道義的な面での責任を追及している方も少なくないので、ある意味ではこの反論も的外れとも言えます。ただ法的な面においては彼らが言っているように、弘中弁護士に責任は無いと言えるでしょう。(あくまで現時点の話)
但し法的な責任追及はなくとも、世論からの批判によって今後の活動に影響が出る可能性は大いにあると思います。検察や法務省などと違って顔と名前が出てしまうので、ダメージは一番大きいです。
保釈中の逃走は逃げ得なのか
保釈金の没収だけでなくその後の裁判にも影響がでますので、軽犯罪であれば逃げ得にはならないです。
但しゴーン氏のように生涯刑務所にいる可能性大の重犯罪になると、逃げるだけの価値が出てきます。捕まったところで死刑になるわけではないので、成功したら儲けもんの逃げ得と言っていいでしょう。
ですので本来は殺人などの罪に対しては保釈が認められないのですが、ここ最近は人権問題などもあって重犯罪であっても保釈されるケースが割とよくある印象があります。
殺人罪に問われ懲役11年の実刑判決を受けた講談社元次長の朴鐘顕被告について、東京地裁は保釈を認める決定。
検察幹部は「いくらなんでも殺人罪で実刑判決を受けた被告を保釈するなんて信じられない」「被告が逃走したら誰が責任を取るのか」と憤りをあらわにしました。https://t.co/mURicziq2l— 産経ニュース (@Sankei_news) 2019年3月27日
講談社元編集者の殺人犯も保釈が認められていました。カルロスゴーンは殺人はしていませんが、明らかに逃亡の危険性があったので、保釈が認められたことは今後問題になりそうです。保釈についての法律は改善を求める声が多くありました。
ネットの反応まとめ
弘中弁護士へ批判が集中していました。
この弘中弁護士に、弁護士いるんじゃないか?🤔
ひでぇ言い逃れだな😕— 裏コバ (@bainphantom) 2019年12月31日
経緯によっては、この弁護団は懲戒請求すべきじゃないかな?
— 自由な人 (@noborderiamfree) 2019年12月31日
これは現時点の法的なお話しだよね?
出頭命令が出れば、当然変わる。
このまま裁判が開かれるのかな?
開かれて有罪の禁固刑になれば、
勿論、逃亡になるでしょう。— ここん (@cocon_111) 2019年12月31日
なるほど..そのあたりの機転を利かせることはありますね。
— milktrain (@ri_sa_sha_jp) 2019年12月31日
最近の容疑者逃走の増加の背景に日弁連の地裁へのプレッシャーがあるんだろうな。
人権を盾にして仮釈放を強要せてんるだろ。
でも、日弁連は逃走に責任を取る必要ないから気楽だよねw— fuutajp (@fuutajp1) 2019年12月31日
弁護人がなんの責任もないとは思いません。
もし弁護人が逃亡に関与してないなら、ゴーンとの間に信頼関係を築けず、どんな人物かも把握せずに意思疎通も欠いたまま、裁判所に保釈を請求したとは。開き直りも甚だしい。責任とは、法的なものだけでない。プロとして逃げられたことをどう感じてるか。— masanori (@masanori0519) 2019年12月31日
弁護士という職業は、詭弁を使ってクライアントの利権を守って、お金を稼ぐ職業なので、まぁ、こんなもんですわ。私的には、子供に絶対にさせたくない職業、第一位です。
— いたがき歯科クリニック (@itagakishika) 2020年1月1日
これで弁護士とはね😓
— つな (@TunatunaFace) 2019年12月31日
保釈中に逃げるのを正当化する弁護士。保釈の条件の見直しや保釈制度そのものを見直さないと、世界中の笑い者。
— 🐾 Coco 🦋 (@MilkQuartz) 2019年12月31日
逃走罪に当たらないと言えばいいものを、犯罪というレベルじゃないとか、あたかも法に触れないかのように変なこと言うからだろう。弁護士のくせに肝心な場面で言葉が雑な。一般人には夜迷いごとにしか聞こえんわな。
— Masamoto Kenichi (@KenichiMasamoto) 2020年1月1日
この話は別な弁護士も言ってたな他の事件で、保釈中に逃亡しても逃走罪にはならない❕
— Celestine (@Celetine475) 2019年12月31日
この話は別な弁護士も言ってたな他の事件で、保釈中に逃亡しても逃走罪にはならない❕
— Celestine (@Celetine475) 2019年12月31日
つまり逃げ得。今後の法整備に待つほかなし。
前田恒彦元特捜部主任検事
» 保釈保証金、保釈中に逃亡したら刑法の逃走罪適用など厳罰化するように法改正。保釈を認める代わりに取り外しできないGPS端末を被告人の自費で装着、24時間、リアルタイムで行動監視 等々 »https://t.co/GtMKCmz9Aq— 目莞ゆみ Mei Yumi (@hjosui_mei) 2020年1月1日
ただ、保釈中に逃げても、それ自体は逃走罪など「犯罪」にならない(手続き上の収監や保釈金没収のみ)というのは、今回浮き彫りとなった刑事法の不備欠陥。逃走罪を拡げるよりも、保釈から逃げるという犯罪(の構成要件)を新設すべきであろう。
— 只野いも子 (@tadano_imoko) 2019年12月31日
逃走罪ではない。はその通り、保釈保証金を没収したのでチャラやろ。もっと早く保証金ももっと高くしておくべき、応えない金額にした裁判所に反省を。
— 10pointo (@10pointo) 2020年1月1日
保釈は弁護士の申請によって、さいばんしょが逃走、罪証隠滅の恐れが無いと判断して保釈金の金額を裁判所が算定し、保釈は裁判所が決定します。
期日までに保釈金の支払いが行われれば保釈される。
全て裁判所、弁護士に責があると思うのだが。— 日本人であると云う誇り (@1831479) 2019年12月31日
被告人の人権を尊重しすぎて
逃げられた弁護士…
逃亡を幇助したとも言える。
大問題なのに話すことはないって
責任放棄かよ(-_-;)
被告人に間抜けな変装までさせた弘中弁護士さん?弁護士「話すことない」 検察「あってはならぬ」 https://t.co/wQKWKTYiAA
— トシ(GS nameトシスピアー) (@yg_toshi) 2019年12月31日
裁判所から許された保釈の条件を反故にして出国したのだから罪になるんじゃない? これで許していたら保釈中の被告人が逃走しても罪にはならないと思うけど。自分の弁護士バッチが大切ということなんだろうね。
— japan's indigo blue 藍 (@nomuramizuho) 2019年12月31日
詭弁を弄して保釈させた上に、監視が行き届かなかった責任を感じている、というコメントを出して欲しいなあ。😩
— 両舷強速 撃ち方始めー (@nadeshiko_yamat) 2019年12月31日
本人の旅券は弁護士が預かっていたハズ。
旅券無しで出国したとでも言うのか?
裁判所命令に違反だろう。
普通、これって犯罪だろう?(違うの?)
本職弁護士に言わせりゃ犯罪じゃないと?— c22738 (@airgo10051) 2019年12月31日
カルロスゴーンの逃亡は誰が悪いのか
出国に関しては入国管理局(法務省」と警察と弁護団、保釈については弁護団と検察で正当な保釈であったのか、それぞれ責任の擦り付け合いが起きるかもしれません。まずはカルロスゴーンを責めるべきなんですが、レバノンにいるためもはや彼を罪に問うことはできません。
あとはレバノンやフランスでは日本批判も始まっているようですね。ゴーンの逃亡は日本という国もダメージを受けてしまったので、誰かしらには責任を取ってもらいたいところです。