母娘の命を奪った池袋事故の運転手、飯塚幸三氏が、免許更新時に75歳以上に義務付けられている「認知症テスト」を受け問題なしとの判断を受けていた事が明らかになりました。
免許更新で「認知機能低下恐れなし」 池袋事故の運転手 https://t.co/UHOT1ZXFTb
→事故の約2年前に免許を更新した際、75歳以上が義務付けられている認知機能検査で問題確認されず
→ドライブレコーダーの解析などから、ブレーキを踏まずに加速を続け歩行者らに突っ込んだとみられることも判明— 産経ニュース (@Sankei_news) 2019年4月20日
池袋での暴走の2年前にこの認知機能検査を受けたとのことなので、85歳でテストをクリアしたことになります。
しかしながらドライブレコーダーに残された音声や、ハンドルを離して暴走していた状況等をみるに、本当に運転するに足る能力があったのかか疑問視されています。
認知症機能検査の結果
免許更新時に行われる認知症テストは3つの結果に分類されます。
認知機能の低下のおそれなし【第3分類】
認知機能の低下のおそれ【第2分類】
認知症のおそれ【第1分類】
飯塚幸三さんは第三分類、つまり認知機能低下の恐れなしというお墨付きを、公安委員会と警察にもらっていたことになります。
確かに期間が空いたのは問題ですが、85歳時点で認知症低下の恐れなしと公的機関から言われたら、自信過剰になってしまうのかもしれません。(健康状態も優良で、事故後に行われた警視庁の調査でも「持病はない」とお話しているそうです。)
歳を重ねると、もはや冷静な判断ができないんですよ。法律でシバるしかない。 pic.twitter.com/qMRbNdc1Rw
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
高齢者は運転に対し自信過剰気味になっている傾向もあります。
飯塚幸三氏を庇うわけではないですが、こういった高齢者達を管理しきれていないのは、国の制度にも問題がありそうです。
認知症テスト
一般的な認知症テストは以下のようなことが行われています。
(認知症テスト 東京研修センター 認知症介護研究)
大友式ぼけ予測テスト。老年者向け認知症予測テスト。
僕は、1,2,4,5,6,8が該当しているな…… pic.twitter.com/ogGlyaz6Ph— 町田メガネ (@machidamegane) 2014年7月1日
電話番号や自分の家の住所を記憶しているとか、最近のことを忘れっぽくなったとかの基本的なことや、電化製品の使い方やテレビの内容を理解できるかなど、認知症の兆候を知ることもできます。
医者の意見
認知症テストそのものというよりも、免許更新時や交通事故時にテストを促された場合の仕組みに欠陥があると、とある医師がツイッターにて問題点を指摘していました。
池袋の事故について思ったこと。
北日本の日本海側のとある町で、定期的に週末日当直をしてるが、あの辺りは80.90代のジジババが普通に車を運転してて、しょっちゅう事故を起こして救急搬送されてくる。週末につき2-3件はある。
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
搬送時の受け答えで、医師でなくてもわかるくらいの明らかな認知症があって、手足もおぼつかないことが多々ある。
もはや暴走する凶器ですよ。歩行者が巻き込まれないことが奇跡。まあ、巻き込まれた場合、高次救急だから、うちに搬送されてないだけかもしらんが。
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
当然医師として、本人家族に免許返納を進めるとともに、認知症外来に紹介する。
後日どうなったか、カルテでフォローするんだけど…びっくりするような、というか医学的にも倫理的にも、かなり問題がある展開にしばしば出くわす。
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
事故後担当した警察や、免許更新時の運転免許センターから、認知症の疑いがあるので免許更新には病院での診断が必要と指示され、受診になるんだけど、なぜかそこで「認知症とは言えず、運転適性がないとは言えない」という判断が、しばしば下されている。
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
いったいどういうことなのか、外来の看護師に聞いたの。そしたら、本人が受診せず家族のみが受診したり、送迎などをいちいちしてられない家族がものすごくごねたりして、面倒事を避けたい医者がそう判断したことになっているんだと。
認知症の免許返納の誘導のためのシステムが、形骸化してるのだ。
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
なので、現状のシステムでは、今回の池袋のような悲惨な事故は、永遠になくならない。
もはや、問答無用で、80歳以上は免許強制返納とか、運転免許センターで長谷川式テストやって認知症の疑いにひっかかかった段階で免許更新拒否とか、法律ですべきなんじゃないか?
— ねむいぬ (@nemunemuinuinu) 2019年4月19日
認知症の免許返納の誘導のためのシステムが、形骸化してるとのこと。全てを馬鹿正直に取り合って厳格な検査をしていたら、病院はやってられない実態があるようです。
この辺は法律によって強制力を持たせて、なぁなぁになっている現状を変える必要がありそうです。
ネットの反応
70歳になったら基本全員返納で、必要な人だけ半年ごとに更新試験、みたいなシステムにしてくれ。80代だけど2年前の健康診断で問題なかったから今も健康のはず!とか普通疑うでしょ。
でも選挙に行くのは高齢者だから高齢者が嫌がりそうな法律はできないんだよなぁ。ほんと嫌な世の中だよ。若者選挙行け— ルッコラ (@rucolagomafumi) 2019年4月20日
60歳代は優良だろうが3年毎、70歳代になったら2年毎、80歳代以降は毎年免許の更新に変えるだけで、この様な痛ましい事故は減るだろよ。
— Yossi Kawaguchi (@yk998r) 2019年4月20日
亡くなった父もそうだったが
足腰が不自由な高齢者ほど車を運転したがる。
本人が「大丈夫」と言っても、
家族は高齢者の運転をやめさせるべき。— やわめん (@fashizume1) 2019年4月20日
事故を起こした直後に息子に連絡してSNS消してと頼めるくらいなんだから判断力は問題ないんだろう
どこを怪我しているのか知らんが一刻も早く逮捕してこの容疑者を平等に裁いてくれ…
例え昔偉い肩書きがあったとしても、亡くなった母娘が浮かばれない— 餅粉@ライブ餓死寸前 (@pas_pas_pas_uw) 2019年4月20日
2年前やぞ
まじやるなら3ヶ月に1回ペースでやれ
てかな、その歳で運転とかその周りの人間含めて異常やぞ
おれの祖父母はこのまえ訪ねたら車売ってたわ— パンの袋とめるやつ (@wrwr_2020) 2019年4月20日
2年も前の検査などあてにはなりません。
高齢者は、日に日に体力が衰えます。
3か月よりは、毎月やるほうが良いでしょうね。— ふるかわ@1278(白金とスナッピー推し) (@najimahiro1278) 2019年4月20日
3年に一度の適性検査では
インターバルが長すぎる
せめて1年に一回にしないと。
思い切ってある年齢からはマニュアル車以外運転禁止にするとか。多分60歳くらいだとマニュアル車も運転できる免許だろうし。— アリデ (@askusa6) 2019年4月20日
87歳というよりも後期高齢者(75歳)以降は運転許可を再取得しなければいけない
としなければ法的にいけない様にするべき。
政府が黙認してるから。許しているから無関係な人が犠牲になる。が現実で悪意のない子供が被害者が該当するのは世の常でやるせないね— ダック (@garnet_crow2013) 2019年4月20日
うちの86歳の母親は3年前から認知症が始まった。認知症とは各個人で全く違っててそれは同居してる家族でないと分からないレベル。国がやる定型的な検査ではその殆どは捉えられない。役人は現実を見なさい。
— カズカズは🍬あえかに首ったけ (@kazukazu1978040) 2019年4月20日
車を運転していた理由
事故を起こした飯塚幸三氏は、どうも高齢になり足が不自由になったため、車での移動に頼らざるを得ない状況になっていたようです。
そのため暴走時にうまくブレーキを踏むことができなかった可能性も考えられます。しかし言ってみれば自分が楽をするために他人の命を奪うことになってしまったわけですから、何かを諦めることも必要だったように思います。
定期的に高齢者の暴走事故が起きているので、免許返納の義務化や、免許更新時のテストについて少し改める時期になっているのかもしれません。