ボクシングWBSSバンタム級トーナメント決勝で井上尚弥vsノニトドネアの試合が行われました。いやとんでもない試合でした。技術だけでなく試合展開もスイングした近年まれにみる好試合です。全ての団体と階級合わせて今年最高のボクシングの試合だったと思います。
解説はいつもの長谷川穂積と山中慎介でした。そのうち西岡利晃との共演も見てみたいです。
こんな試合初めて観た。最強!!!
おめでとうございます!!!#WBSSバンダム級決勝 #井上尚弥 選手 pic.twitter.com/xmRJvhI1GJ— 佐藤美希 (@sato_miki626) 2019年11月7日
3-0でしたが一人は1ポイント差で厳しい試合でした。11Rのダウンがなければ危なかったです。
試合には勝ちましたが井上尚弥選手は初めて底が見えたのでやや評価を下げるかもしれません。PFPではロマチェンコの方が上かなと思ってしまいました。
しかし今回ばかりは結果が全てなので一旦そこは忘れましょう。
以下井上尚弥選手の試合後インタビュー。
・ドネア、メチャクチャ強かった
・初めてのカットで2Rからドネアが2人に見えた。最終まで視界がぼやけていた。
・皆さんの期待した内容ではなかったと思う。それが僕の実力です。また精進するので来年期待してください。
・弟の拓真が負けたので希望が叶うならウーバーリと統一戦をやって仇を討ちたいです。
話題のネリは出てきませんでした。
ドネアは年齢的にリマッチできないかもしれないので、負けていたらその後どんなに勝ち続けても「ドネアには勝てなかった」とメイウェザーに負けたカネロみたいな状況になるところでした。ここで勝てた井上尚弥は実力だけでなく運も持っています。
興行的にはこれ以上ないぐらいの試合でしたね。ヒーロー井上が序盤苦戦しながらも終盤から盛り返してダウンまで奪ってくれました。ビッグマッチはレベルは高くとも塩試合になることが多いですが、さすがドネアと井上尚弥です。
これで人間性も優れているのですからスター以外の何物でもありません。視聴率はともかくとして、亀田興毅が破壊してしまったボクシングのイメージを取り戻した感があります。(視聴率は20%ぐらいと予想しています。)
ヒカキン兄弟も応援に来ていた件
ボクシングWBSS決勝、ヒカキン&セイキンで応援に来てます!😎😎🎉🎉
頑張れ井上兄弟!👊👊#井上尚弥#井上拓真#WBSS決勝#ドネア pic.twitter.com/E2INSSmDff— HIKAKIN😎ヒカキン 【YouTuber】 (@hikakin) 2019年11月7日
井上兄弟の試合をヒカキン兄弟も応援しに会場に来ていました。
ヒカキン兄弟はセイキンよりヒカキンのほうがyoutube的な意味で強いので、兄の方が強い井上兄弟とは逆のパターンです。井上拓真選手は負けてしまいましたが、ユーチューバーと違って敗北をネタにできないのがアスリートの辛いところです。
【動画】井上尚弥vsノニトドネア
ドネアの仕上がりが良すぎました。負けを覚悟しました。
ダウンはありましたがマストシステムなので何があるか分かりません。村田諒太の悪夢が浮かびましたが、終わってみれば3-0で一人以外は大差判定でした。
ネットの反応
ニュース - Curated tweets by honjitukaisetu
井上尚弥苦戦の原因 試合解説
お互い異常なスピードでしたね。緊張感があって素晴らしい試合でした。まずはいい試合に感謝です。
ドネアは全盛期を過ぎているので井上尚弥圧倒的有利という前評判でしたが、万全の仕上がりで井上尚弥を苦しめました。対して井上尚弥は序盤からしばらく動きが硬く、ここはビッグマッチを経験してきたドネアに一石の長を感じました。
というかドネアがちょっと好調すぎました。ここは日本のファンと井上尚弥にとって想定外でした。ただよくよく考えたらあのドネアなので当然ですよね。井上尚弥を過大評価というよりドネアを舐めすぎていました。
↑ 試合後のお二人。
苦戦した原因は
そもそもドネアが強すぎるのが苦戦最大の原因です。
そして井上尚弥が序盤で右目をカットし流血したこと、効かされた場面での対応とスタミナにやや難があったことが苦戦に繋がったのかなと思います。11Rと12Rは確かに井上尚弥選手のラウンドでしたが、足に力が入っていないような感じがしました。本来であれば倒せていたはずのパンチが耐えられてしまっていました。
現場情報でもインターバル中に足を叩くなどしていたようです。ただこれはこれまでの試合が早すぎた故の一時的な弊害かもしれませんので、今後は大丈夫と思っています。
耐久力について
あとはドネアがタフでしたね。ボディで何とかダウンしてくれましたが結局最後までたっていました。
4Rに一度井上尚弥の素晴らしいパンチがヒットして日本で開催されたボクシングの試合でここ最近ちょっと記憶にないほどの歓声が起きていました。ここは期待しましたが、さすがドネア選手、しのぎ切っただけでなく7Rぐらいには井上選手のパンチをそれほど貰わなくなっていました。
逆に井上尚弥選手も打たれ強さが未知数でしたが、ある程度打たれても大丈夫というのは分かりました。ロイジョーンズなどは無敵のボクサーと思われていたのですが、とんでもない打たれ脆さを露呈してからは相当弱体化していました。ここは打たれてみないと分からないので心配でしたがよかったです。
レフリー下手くそ問題
よくよく見直すと、井上の左ボディが入った時にドネアが効いて逃げ出して、井上が追撃しようとしてるのをレフェリーが邪魔してるのな。
更にカウント10にもかかわらず立たせた、と。その結果OKではなく判定決着。
こんな事してるからボクシング人気が無くなったんだよ。— しげ (@shige7973) 2019年11月7日
良く分からない挙動でしたね。まだドネアがダウンしていないのに割って入っていました。 レフェリーが正しい対応をしていれば10カウントでKO勝利だったかもしれません。
弟は惜しくも敗北
井上拓真とウバーリ戦見てるんだけど
観客席にHIKAKINとSEIKINいるの見つけてから試合に集中出来ない🤣🤣🤣#WBC#井上拓真#井上尚弥#バンタム級王座統一戦#HIKAKIN#SEIKIN pic.twitter.com/ISrJhFIIbx— ピクル (@pikuru_kai) 2019年11月7日
ノルディ・ウーバーリと対戦した井上拓真。
兄井上尚弥の前座で惜しくも負けてしまいました。暫定王者から正規王者目指してがんばりましたが惜しくも判定負けです。といっても日本史上最強のボクサー兄弟だと思います。
井上拓真の敗因ですが、ウーバーリの攻撃に対して真っすぐ下がりすぎた気がします。終盤は対応していましたが序盤はかなり相手の足を使った攻撃に苦戦していました。ウーバーリがサウスポーだったのも影響があったかもしれません。
最強の兄貴がいますしまだ若いので十分将来性はあります。
井上尚弥の今後
考えうる最高のシナリオは無敗のままキャリアを積み重ねて、同じく無敗のロマチェンコとのビッグマッチでしょうか。
とはいえあくまで理想の話で現実的には階級を上げるのはそろそろ限界のような気もするので、バンタム級近辺で防衛戦をこなしていくのがベターなキャリア設計になりそうです。
まあ今はWBSS優勝の余韻に浸りましょう。今回の勝利で世界的にも広く認知されたはずです。ダウンタウンの浜田雅功さんに懐いたにも関わらず軽めに対応されていたのも遠い昔、世界のスターの仲間入りです。あとはリングの外でのプロデュースにも期待したいですね。何をやっても成功するブースト状態なのでうまく名前を売って欲しいです。
とにかくおめでとうございます。文句なしの素晴らしい試合でした。とりあえず年間最高試合は間違いなしです。