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柔道で児童死亡 フランスでは死亡事故0 武道の危険性 安全な格闘技は?

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小学5年生の児童が柔道の乱取り後に亡くなる事故が発生しました。

死因は「急性硬膜下血腫」とのことで頭を強く打ち付けたようなので、詳細は遺族の意向で明らかにされていませんが、組技系の事故で頻発している頸椎の負傷ではないようです。

日本とフランスの柔道死亡事故件数の比較、安全な格闘技と武道の存在について考えます。

全日本柔道連盟は現在のところコメントを出さない方針でいるようです。(遺族への配慮もあるでしょう)

全柔連は事故防止のため活動日数や練習時間にガイドラインを設けるなど対策はしていますが、一定の間隔で死亡事故が起きてしまっています。柔道は素晴らしい競技ですが、今の日本の指導システムにおいては児童が一定確率で死んでしまう危険性を伴っているので、廃止を求める声もあります。

 

フランス柔道は死亡事故0

少なくとも2004年以降の13年間でフランスにおける柔道の死亡事故件数は0、対して日本は23件という大きな違いがありました。

以上https://www.waseda.jp/tokorozawa/kg/doc/50_ronbun/2017/5017A303_abs.pdfより引用した間野義之教授の調査結果です。

事実であれば両国の指導方針の違いにより、日本でのみ重大な事故が起きていると考えられます。目立った指導方針の違いとしては、フランスは同じ体格と帯同士での練習、町道場であってもフランスは指導に国家資格が必要な点でしょうか。また日本のみ初心者が大会に出場することができます。

今や歴代最強の柔道家となったリネール選手を見ていると疑問に思うところもありますが、礼儀作法もフランスは重視しているようです。オリンピックレベルだと日本は結果を出していますが、一般競技者レベルの指導においてはフランスに教えを請うべきかもしれません。

(精神性においても外国はスポーツとして柔道を解釈しているのに対し、日本では武道精神のあまり根性論が強く事故を誘発しているのかもしれません)

 

柔道は中学校から必修科目

2012年から中学校の学校教育で「ダンス」と「武道」が必修科目になりました。

文部科学省によると

武道に積極的に取り組むことを通して、武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視

とのことです。まあこの辺は建前で実際のところは柔道着販売などの利権絡みでしょうか。日本の児童は運動不足になっているのでその解消も見据えた必修化でもあるかもしれません。これについては子供の怪我を心配している保護者が数多くいました。

 

格闘技と武道の危険性 安全な競技は?

危険な格闘技、武道は柔道だけではありません。数年前にはレスリングでも谷口慧志選手が頸椎を損傷する重大な事故が発生しています。

組技系の格闘技は投げがあるので、どうしても首を怪我してしまう危険性があります。柔術は比較的安全ですが、相手をひっくり返す際に背骨を折りたたんでしまう事故が発生したことがあります。

ボクシングなど頭部への攻撃が認められた打撃系の格闘技も当然危険です。深刻な事故がないのは剣道、合気道、顔と頭部への攻撃が禁止された空手ぐらいでしょうか。(熱中症やかわいがりなど間接的な事故は別とします)

特に合気道は競技としては弱いですが、安全性という意味ではかなり完成度が高い武道であると考えています。但し柔道やレスリングの受け身は日常生活の事故防止に役立つこともあるので、そこは一長一短です。

 

ネットの反応まとめ

お悔やみ申し上げます。

死亡事故後の裁判 補償はどうなる

2011年に起きた柔道死亡事故では、指導者に罰金刑100万円が課されていました。

裁判官が「児童に十分な受け身を習得させていなかった過失は重い」と言った上で100万円なので、いまのところ日本では被害者の遺族が納得できるような裁判結果を望むのは難しい状況のようです。

突然柔道授業や部活、町道場を無しとするのは現実的に無理なので、何らかの変革が必要だと思うのですが、毎回事故の度に場当たりの対応をしている印象です。改善をお願いしたいところです。










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