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カメラを止めるな盗作疑惑の真相 上田監督と和田亮一の原作権を巡る裁判へ

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カメラを止めるなという大ヒット映画にパクり疑惑が浮上しています。あまりこの映画に興味が無かったんですが、爽やかなヒットの裏に醜い争いがあったと分ってかなり興味が出てきました。

まあ要はお互いに「金」なんだと思いますが、ゾンビ系の映画ではフロムダスクティルドーンや28日後を愛する自称映画通の私がその辺の事について考えてみます。

 

原案の和田亮一氏がキレた原因

パクったと告発している側の方です。

劇団PEACEを主催していた和田亮一さんですが、実はこの方当初はこの映画を称賛していました。

こんな具合に絶賛しています。これを見ると映画がヒットしたから、欲が出てきて後のりで告発しただけじゃんという意見が出てきそうなんですが、事はそう単純ではありません。

実は「カメラを止めるな」でプロデューサーを務めた市橋浩治氏なる人物から、この映画のヒット後に「リメイクや二次利用の権利破棄を求めた原案利用契約書」が送られてきて、それが告発の引き金になったようです。

 

想定外のヒット

映画がヒットしたから動き出したのは製作者サイドも同じで、リメイク商法やグッズや二次利用のためにヒット後に権利関係を整理し始めたはいいものの、原案サイドの和田亮一氏と全く折り合いがつかなかったというのが真相だと思います。

まあそりゃそうです、小規模の映画ですし、ここまでヒットするとはだれも予想していなかったはずです。

本来であれば、最初からお互いに契約も意思表示もキッチリするべきなんですけど、金にならないと思ってたら大半の人間は適当にしますよね。仕方ないです。

予想外にヒットしてしまったもんですから、生み出される金の分配を求めて大人のトラブルに発展してしまいました。

 

パクったパクってないは論点じゃない

パクったパクってないは事の本質ではないです。

上田監督の過去のインタビューで、

――本作大変面白く拝見いたしました! まずこの斬新なアイデアをどんな事から思いついたのかをお伺いしたいのですが。

上田監督:5年前に、劇団PEACE(2014年解散)の「GHOST IN THE BOX!」という舞台を観まして、物語の構造がすごく面白いなと思ったんです。
この舞台を原案にして映画化したいと思い、最初はその舞台の脚本家や出演者の方と一緒に企画を進めていたんですがなかなか前に進まず一旦企画は頓挫。
2年ほど前にとあるコンペに出すのをきっかけにまたこの企画を引っ張り出して、基本的な構造以外は登場人物も展開も丸ごと変えて、新たな作品としてプロットを固めていきました。
その企画コンペには落ちたんですが、ちょうどその直後にこの「シネマプロジェクト」のお話をいただいたんです。「シネマプロジェクト」というのは新人の監督と俳優がワークショップを経て一本の映画を作るという企画です

このように映画の核となっているであろう構成の妙について、他人の舞台から着想を得たと自分で話をしていますし、アイデアにおいての手柄の主張は一貫してしていないです。

更に今回の告発を受けて、制作したENBUゼミナール(上田監督サイド)は以下のコメントで反論。

法的に「著作権侵害」が生じていたり、舞台を「パクった」といった事実は一切ございません。

これも法律上の権利は相手にないって言ってるだけで、要は原作権は渡さないという主張です。

 

原作と原案の違い

権利上の話でいうと、原作者は割と大きな権利を持っているらしく、印税として一定の割合のお金を受けとる事ができるケースが多いようです。

反面原案だと部外者扱いでその場限りのお金を渡すだけで済むらしく、田監督とプロデューサーは原作兼まで渡したくない、元舞台監督の和田亮一氏は原作権まで欲しいという構図です。

法律上の話でなくクリエイターとして考えると、和田氏が原作に等しいアイデアを出したんだろうなとは思いますが、丸々トレースしたわけじゃないのなら裁判ではどっちに転ぶかちょっと分からないですね。

信念をもって訴えれば告発者の和田亮一氏が勝つと思いますが、折衷案の和解金で折れてしまうかもしれないですし、どこまで本気かも未知数です。

 

原作者はもう一人いる

ヤフーニュースではA氏として簡単に紹介されていましたが、これは恐らく荒木氏なる人物で、和田氏と同じ劇団PEACEにいた劇団員です。彼は「カメラを止めるな盗用疑惑」について以下のコメントを残しています。

「上田監督からは事後報告の形で『名前を入れました』と連絡がありました。しかし、脚本を書き直して映画化する過程で、許諾を取る類いの連絡はありませんでした。公開されたいま思うと、原作として和田さんと私のクレジットがないのは疑問に思います」

もう泥沼の争いですね。

裁判でどっちかが倒れるまで戦うのか、和解を着地点とするのか分かりませんが、権利関係がややこしいと、海外でのリメイクにまで悪影響があるので、最初に誠意と熱意をもってきちんとしておくべきでした。

 

この映画の面白さ

今更言うのも気が引けますが、私は「カメラを止めるな」を見ていません。

ただ原案となった舞台のほうはもう見れないですし、ほぼ全員が舞台を見ずしてこの問題を話すしかない状況で、片方見てないのも両方みてないのも大差ないので語らせてもらっています。

 

劇中劇

どうやらこの映画は二部構成になっているらしく、要は劇中劇ですね。

それ自体は斬新なアイデアでも何でもなくて、それこそシェイクスピアの頃からある手法で、映画ではフェデリコフェリーニの8 1/2という映画もメタ要素を含んでいました。

劇中に複数の軸の世界観が存在する映画で最も完成度が高いと感じたのは「マルホランドドライブ」ですかね。あの映画は完璧に伏線を回収していました。

でカメラの長回しでいうと、ブレアウィッチプロジェクトという有名な映画もありますし、聞く限りではそれほど斬新だとは思わないです。(面白くないという意味ではありません。というか革新的な映画なんてそうそうありません。)

違う映画の話になってしまいましたが、きっとこの映画にもアイデア以外、見せ方や演技や演出などが面白かった所もあると思うので、原作に近いアイデアが他にあった事で上田監督の評価が下がってしまうのも少しかわいそうですね。

そもそも映画監督って原作どころか脚本書かない人も多いですし、総合的な能力で優れていれば成立するので、ヒットしたということは監督としてきっと有能なんだと思ってます。

映画化させた経緯もこの監督の熱意があってこそだったみたいですし、私としては次の作品にも期待しています。

 

ネットでは賛否両論

完全に真っ二つという印象でした。

中にはこんな意見も

 

芸能人の評価

概ね高評価だったらしく以下の芸能人は絶賛だったようです。

指原莉乃
斎藤工
中川翔子
伊集院光
品川祐
新海誠
田村淳
川谷絵音
最上もが
ふなっしー
八嶋智人

なんか今回の騒動で見る目がなかったとかも言われてるみたいですが、それは全く関係ないですよね。舞台裏の事情など知る由もないですし、仮に上田監督が全面的に争いで負けたとしても、映画を見る目が無かったことにはならないです。

 

まとめ

一体どうなってしまうのでしょうか。

上田監督もせっかく日の目を浴びたのに、頭が痛いでしょうね。マスコミとかが連日押し寄せたら、上田監督もさすがに「カメラを止めてください」と言ってしまうかもしれません。

映画はここ最近見る機会なかったんですが、この映画はちょっと見たくなってしまいました。作品の外にまで争いが広がってしまったという意味では斬新な劇中劇です。そのうち鑑賞に行きたいと思います。










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