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カズ・ヒロの日本批判とアメリカ国籍選択の理由 アカデミー賞受賞ヘアメイクアップアーティスト

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第92回アカデミー賞の発表が行われ、カズ・ヒロ(辻一弘)さんが2年ぶり2度目のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞されました。

日系人の快挙に日本人も歓喜と思いきや、カズ・ヒロさんはかつては日本人だったものの、現在はアメリカ国籍のアメリカ人となっており、今回の受賞スピーチでも日本人が落胆するであろうコメントを残されています。

「日本では夢をかなえるのは難しい」「日本文化が嫌になってしまった」とかなり日本人の特に保守層の胸が痛くなってしまいそうな言葉がありました。日本批判といっても差し支えないでしょう。ごめんなさいと謝罪されているのは日本人だったころの名残でしょうか。

「夢をかなえる」については、映画の本場アメリカで成功するのが夢であれば、日本にいたら難しいのは当たり前の話なので、イマイチ要領を得ませんでした。

全体の発言は、恐らくは日本におけるエンタメ文化の停滞や、出る杭は打たれる風習や個性を認めない同調圧力についてのことをおっしゃったのでしょう。あとは前回のゲイリーオールドマンからのオファーで受賞となった際に日本メディアが押し寄せていたので、色々と嫌気がさしていたのかもしれません。

 

カズ・ヒロの華麗なる経歴

1969年生まれの50歳。2019年3月にアメリカ国籍を取得されています。

今回はスキャンダルという映画に出演していたシャーリーズセロンやニコールキッドマンのメイクを担当されています。キャリア初期は映画における特殊メイクですが、2000年代中盤からは現代美術家として活動、映画の世界からは離れていました。

2017にゲイリーオールドマンから直々にオファーがあり映画界に復帰、映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で一度目のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞されています。今最も評価されているメイクアップアーティストといっても過言ではありません。

 

日本人であることを捨てた理由は

映画における特殊メイクは背景の文化が反映されにくい職なので彼も日本人であることへの拘りがなかったのかもしれません。そもそも彼が高校時代に今の職を志した時に手紙を送ったのもアメリカの業界人に対してでした。

例えばこれが映画監督や小説家ならば、作風に高確率で日本文化が反映されるので、彼よりはまだ日本人のアイデンティティを重んじる気がします。(例えば黒澤明監督などは侍の映画を得意としていました。彼が都合がいいからと日本国籍を捨てたらおかしな話になります)

成功者がアメリカを拠点に活動するならば、単純にアメリカ国籍であるほうが都合が良いですが、カズ・ヒロ氏が日本国籍を破棄してアメリカ国籍を取得しているのであれば、信念のもとそうされたんだろうなと思います。逆に二重国籍状態であれば、ある程度の損得勘定はありそうです。

日本では電通など代理店や事務所の力が強すぎる問題も指摘されていますが、これはアメリカでも中国資本や特定のプロデューサーが力を持っているので、似たような問題はどちらにもあります。

それでもアメリカの方がまだ健全であるとカズヒロさんは考えているのでしょう。以下のような情報もあります。

カズ・ヒロは日本での下積み時代に仕事はなくチャンスすら与えられなかった
日本だとオーディションはまずなく裏方の仕事なんてコネばかりだから
逆にアメリカの場合は基本的にオーディションがあってどんな有名俳優でも篩に掛けられる。裏方の仕事も技術があるならそれだけで上に上がれる
それで日本を飛び出して成功した途端に「日本人が快挙」とか言われてもてはやし始めたそりゃ嫌になるだろう

ネットの反応まとめ

掲示板などでは批判も多かったですが、ツイッターではカズ・ヒロさんの言葉は概ね好意的に受け入れられていました。

掲示板では、韓国映画のパラサイトが史上初アジア映画でアカデミー作品賞を受賞したこともあってか、やや保守層のヘイトがたまっていました。

 

同調圧力も一つの個性説 日本の良いところ

日本のトップスタイリストの祐真朋樹さんは、日本のファッションが足並みをそろえ画一化されることも、それはそれで面白い一つの文化として解釈されています(若い頃は個性を重んじる外国のファッション文化に傾倒していたそうです)。

今回はカズ・ヒロさんの言葉がやや独り歩きして、日本文化が全否定される勢いになっていましたが、個人的にそこまでとは思わないですかね。日本文化にも良いところはあります。

但し話はちょっと飛びますが、ここ最近のコロナウイルス対策については全否定させてもらいたいですね。文化というより政治の問題ですが、その仕組みを作ったのは、日本文化に育てられた日本人なので繋がりが無いとも言えないです。今後もこういう個人主義の日本人(特に才能にあふれる方)はどんどん増えていきそうです。










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