RIZIN13で行われた那須川天心vs堀口恭二についての総括です
こちらは試合動画
良くも悪くも軽量級らしい試合でしたが、レベルは高く見ごたえ十分の試合ではありました。
結果は本職の那須川天心の勝利でしたが、本当の意味での勝利と言えるのか、また大会自体の総括についても簡単に
堀口恭二のコメント
「那須川くん試合前でかいこと
言ってごめんね。いゃー強かったよ
釣りも一緒に行こうね!」
「那須川君、デカいこと言ってごめんね。強かったね。もっと日本の格闘技界を一緒に盛り上げましょう。次も行きましょう。
強い選手とやれて面白く感じました。(那須川は堀口を獣と評したが)自分は人でした(笑)。
みんな盛り上がったし、自分の中でも盛り上がった試合が出来ました。これからも日本の格闘技を盛り上げていくので応援お願いします」
というような爽やかなコメント
スポーツマンとしては満点のコメントですが、格闘家としては30点ぐらいという反応に困る発言です。
試合中も頻繁にグローブを合わせていましたし、殺伐感が皆無だったのは堀口と那須川の良いところでもあり物足りない所でもあります
堀口恭司、那須川とMMA戦否定的。「まあ、はっきり言いますけどMMAでは相手にならないです。組み際とかできていなくて普通に勝ってしまうので面白くないですね」 https://t.co/pMQIYSfVMI pic.twitter.com/Z84JqmuByj
— MMA.vaobhr (@vaobhr) 2018年9月30日
那須川天心とMMAの試合の可能性についても言及。まあこれは言う通りですね。堀口と那須川がMMAで戦えば10回中10回堀口が勝ってしまうレベル差があります。
那須川天心のコメント
RIZIN13
なんとか判定で勝てました。
堀口さんのお陰で日本を盛り上げられる試合が出来たと思います。
本当に感謝しています。
選手として、人として物凄く強かったです。
ありがとうございました。
やっと日常に戻れます。#RIZIN13 pic.twitter.com/i69bggtHTZ— 那須川 天心 (@TeppenTenshin) 2018年9月30日
「堀口選手、キックのルールで戦ってくれたことを本当に感謝します。
自分は昔から堀口さんに憧れていて、このカードが決まった時になんでやるんだろうと思って。普段は緊張しないけれど緊張感でいっぱいでした。
こういう形で勝てましたが、成長できたと思います。堀口選手のおかげです。ありがとうございます」さらに「人間と戦っているんじゃなく、獣と戦っているようで、ひとつ間違えると自分やられそうでした。(超満員で)最高です。
夢のカードで試合が出来たからこそたくさんのお客さんが集まってくれたと思います。堀口選手に感謝したいです。
次の試合も11月16日に決まっているので、RISEでも勝って年末につなげたいと思います」
と感謝のコメント。緊張感があったのは試合でも伝わってきました。
あとは亡くなった山本KIDさんについても言及
「自分はKID(山本“KID”徳郁)さんのことが大好きで、勝ててよかったです。KIDさんありがとうございました
生前に「格闘技を盛り上げてくれ」と激励を受けていたようです。
那須川は前回のロッタン戦もそうですが、強豪と戦うと色々と難が見えてきました。天才であるのは間違いないですが、k1の武尊選手と戦うと勝敗が分からない程度の強さなのかなという感じはしました。今回の試合はやや株を下げてしまったと思います。
(那須川はまだ伸びしろはあるでしょうし、契約体重でもかなり左右されそうですが)
武尊選手も以前と違って勝てそうだと感じているんじゃないでしょうか。キックルールだとRIZIN内に相手はいないので、そのうち武尊戦が実現するといいですね。
団体間の問題のほうが大きいでしょうが、グズブズしてるとどっちかが負けてタイミングを逃してしまいます。
堀口恭二の勝利
今のRIZINが行える一番のビッグマッチが今回の試合でした。そしてRIZIN運営、那須川、堀口の中には試合の勝敗以外に、三者三様の個別のテーマがあったのが今回のRIZIN13です。
まずRIZINとしては持ち駒の潰し合いをさせるわけなので、視聴率や話題性などで相応のリターンを得る事。
堀口恭二としては本来総合の選手なので、爪痕を残せずKO負けや大差判定負けはマズいですが、微妙な判定負けであれば株は下がらないどころか上がる条件でもありました。本人の中でもそれは分かった上で試合のプランを立てていたと思います。
胴回し回転蹴り。これはさすがでしたが・・・
那須川天心は、勝利は当たり前、微妙な判定で勝ったところで試合で勝っても勝負に負けてしまうという、ルール上では有利でも本質的な意味では逆に難しい条件の試合でした。
これらの裏テーマを踏まえて考えると今回の試合は堀口恭二の独り勝ちだったのかなという印象です。伝統派空手らしく遠い距離からの出入りで戦うのかと思いきや、総合よりは近い距離で戦っていたのはプラン通りだと思います。
実際にパンチの打ち合いでは優勢でしたし、金的のダメージが無ければ、あるいは金的で減点が行われていたらもっと接戦だったかもしれません。(試合を見ていた限りではやはり勝利は難しいように感じました。)
ファンの反応
ツイッターは概ねどちらもがんばったという温かい反応。掲示板などでは堀口寄りのコメントが多かったです。
那須川天心相手に笑いながら戦う男、堀口恭司。ヤバすぎるでしょ!!
— ジャン斉藤 (@majan_saitou) 2018年9月30日
ジャン斎藤さん。格闘技ライターの方ですかね。
金的二回で減点ないの?(゚ω゚)
— (まぁイケる冗談メンバー) (@nakanaka0629111) 2018年9月30日
魔裟斗対KID越えましたね…
— 原田氏@10/7 岡崎伶奈卒業公演 (@twsuncle_HRD) 2018年9月30日
個人的には3round天心だったから、減点1を加味して延長だとおもったら30-29だったのはビックリした
— (まぁイケる冗談メンバー) (@nakanaka0629111) 2018年9月30日
総合だったら堀口さんの圧勝でしょ?
— 野球垢 (@R1InNaTiV6DDKV4) 2018年9月30日
那須川天心、大方の予想通り勝利。
見世物としては面白かったが、日本立ち技史上最高最強の才能の宝石のような貴重な時間がRIZINとフジテレビの都合で無意味な茶番に使われる感じがどうしても拭えない。さっさともうRIZINと手を切って、K-1の武尊、ムエタイの強豪との試合に向かって欲しい。 pic.twitter.com/b7m0mx4KW0
— UG (@soccerugfilez) 2018年9月30日
RIZIN13総括
今回は色々と話題性のある試合が多かったんですが、台風が来て生中継の中止を余儀なくされるなど、RIZINは運が無いですね。視聴率もさほど伸びないでしょう。
ボブサップ対大砂嵐やeスポーツの導入は苦し紛れですが、今のRIZINの手持ちのカードを見ると仕方ない選択ですかね。
魔裟斗と山本KIDはスター性という意味で別格の選手だったので、中量級でもムーブメントを作れましたが、那須川と堀口は強さは申し分無くても華が足りないので、どうしても若い女性等のライトなファンを呼ぶことができません。
興行の規模を小さくして地道にやってくのも選択肢としてはありますが、榊原さん始めRIZINの発足は地上波中継が至上命題でしょうから、そこは競技性よりも譲れないトップの意向があると思います。
私はRIZINはそのうち終了すると予想していますがどうなるでしょうか。来月10月にはUFCでマゴメドフとマクレガーというビッグマッチもありますので、そちらも楽しみにしています。