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大谷翔平への差別「敬遠数が多く本塁打王が日本人は駄目」をデータ検証

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大谷翔平がメジャーリーグでホームラン王ランキングトップとなりはや数か月、本塁打王争いも佳境に差し掛かってきました。

日本人として初、また投手としてはメジャーリーグの歴史においてベーブルース以来の本塁打王という偉業までもう少しではありますが、オールスター以降は投手大谷と反比例するかのように打撃の調子を落としており、2位ゲレーロjrとペドロが1本差と、黄信号状態となっています。

そして日本の掲示板では、「日本人である大谷に本塁打王を獲らせたくないのでは」「差別されてる」との声が以前より目立つようになってきた印象があります。果たしてその事実はあるのでしょうか。

こちらは大谷の43号ホームラン動画。

ゲレーロjr。

40台後半で勝負がつきそうなペースです。

敬遠数、四球数、打席数、ストライクゾーン率のデータ比較

2021/09/10時点での比較です。

大谷翔平 本塁打数43本 四球数70 打数467

ゲレーロjr 本塁打数42本 四球75 打数517

ペレス 本塁打数42本 四球数23 打数数537

ペレスの四球数が少ないですが、これは下記別のデータとあわせて考えると、勝負してもらえているというより、ペレスが打ち気にはやるタイプであることの方が、強く影響しているように見えます。

下記は被投球数とその内訳、ストライクゾーン率です。

大谷   2256×38.3%(アリーグ69位/71)=864
ゲレーロ 2150×39.9%(アリーグ57位/71)=858
ペレス  2052×34.9%(アリーグ71位/71)=716

数字だけで見るならば、ペレスが一番ゾーンでの勝負を避けられています。

ペレスが積極的にスイングするタイプであることとも相互に影響しあっているので、ペレスが一番恐れられているかというとそういうわけでもなく、データ上有効な配球をしている結果に過ぎないと思います。

最後に敬遠数。

大谷11、ゲレーロ7、ペレス4

という数字です。

これに関しては大谷翔平が一番勝負を避けられているとデータが示しています。

といっても、エンゼルスは頼りのトラウトも2021シーズンは離脱しがちなので、大谷にホームラン王を獲らせたくないというよりも、あくまでチームが勝つための戦術として、危険な打者大谷を敬遠しているという十分な理由があります。

数値差もそれほど大きくはありません。(バリーボンズは120敬遠されたことも)

審判からは

誤審が多いという声もありますが、Baseball Savant を見る限りでは、ストラークをボールと判定された率に関しては若干多いものの、大谷が特筆して多いレベルには至っていません。

ゲレーロjrやリーグは違いますがジャッジやタティスの方がその誤審率は上でした。

(といってもそれも彼らが大谷より球審に冷遇されているとかいう話でもなく、上ブレ下ブレの範囲内です)

審判も人間ですので、ミスはありますしもしかすると偏った思想を持っている方もいるかもしれませんが、裁定の統計をとり、例えばミスの少ない球審がポストシーズンを裁くことになるなど、私情を排除する十分な措置は設けられています。

差別は難癖

上記のデータを踏まえると、差別で勝負してもらえてないは大谷ファンの難癖に過ぎないとしか言えません。

無論私は大谷翔平選手を普通に応援していますし、数年前に新人王を獲得した際の忖度選出という批判に対しては、様々な理由から、大谷翔平が最も新人王に相応しいと擁護もしました。

MLB側が選出したその新人王やイチローのMVPも、日本人選手達がオフィシャル上は差別されていないことの証左になっているはずです。アメリカ全体に言えることですが、表向きはかなり公平に取り扱ってくれます。

(個人や小さいコミュニティではまた別です。ダルビッシュはグリエルに細目ポーズをされていましたし)

というわけなので、大谷翔平に対して、「日本人に本塁打王を獲らせたくない」という理由で相手投手や監督が勝負を避ける、NPBにおける王貞治忖度現象みたいなことは、MLBでは早々起きないと個人的には思っています。

大谷翔平のは本塁打王を獲れるのか

過去にリアルタイムで記事にもしましたが、新人王を獲得した時には、かなり早い段階で大谷翔平が新人王を獲ると予想していました。

本塁打王はこの感じだとちょっと厳しいです。

打者大谷翔平が調子を落としているのに対し、ペレスは上り調子でゲレーロjrもやや復調してきました。競っているライバルが二人いるというのもネックですし、大谷は10勝というもう一つの目標もありますので、本塁打王獲得は30%ぐらいかなと予想しています。

理想は早々に10勝をクリアして、残り試合は打者に専念ですかね。大谷は人気者ですしエンゼルスはポストシーズンもワイルドカードすら厳しい状況なので、弱小チームならではのアドバンテージもあるにはあります。

何とか10勝と本塁打王獲得という近代野球ではあり得ない偉業を達成して欲しいです。










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