大谷翔平かゲレーロjrか、大穴でペレスか。
MLB2014シーズンのMVPは誰が手にするのか、徐々に日本でも議論の的となっています。2018年の新人王獲得の際にも、MLBを詳しく知らない方からは、忖度受賞であると批判されていましたが、MLBを長年見ているファンからすると、その批判はやや的外れでした。
それらの理由や、なぜ大谷はMVPを獲得できるのか、考えてみます。
大谷選手の50発本塁打王10勝と、ゲレーロの3冠王。
そら大谷選手を応援したいがゲレーロ選手が凄すぎてかなり厳しい。大谷選手が本塁打王と10勝取れたとしたらそれはもう彼は伝説になる。
「よく頑張ったではなく」取れるか取れないかで運命全然違ってくる。 https://t.co/cRoIFnUbA6— 金島弘樹 / 𝐇𝐢𝐫𝐨𝐤𝐢 𝐊𝐚𝐧𝐞𝐬𝐡𝐢𝐦𝐚 (@HirokiKaneshima) September 13, 2021
大谷が一位時点の時に記事にしていましたが、予想通りホームランランキングはゲレーロjrとペレスに抜かれてしまいました。
無論ここから大谷が抜き返す可能性もありますので、応援は続けていきます。
付け加えておくと、日本人に本塁打王を獲らせたくないという理由で、勝負を避けられている、球審に酷い判定をされているとの声もありますが、それも別記事にてデータを考察し否定しています。現在の大谷の成績は十分に公平な扱いを受けた上でのものです。
どうしてこれらのことを述べたかというと、大谷のファンだからという理由で、MVPに相応しいと言っているわけではないからです。あくまでフラットな目線で評価致します。
大谷翔平しかMVPがいない
大谷のMVPオッズ上がってて草 pic.twitter.com/CkCt9DAs2f
— ニッチ屋 (@nicchiya16) September 17, 2021
議論が巻き起こっている日本と違い、アメリカでは既に大谷=MVPという論調です。
理由は大きく2つ。
まず1つ。warというMLBファンの間では浸透している総合指標において、大谷がアリーグ1位確定だからです(ナリーグも合わせるとまだ分かりません。一時はボンズの全盛期並のペースでしたがオールスター以降失速してしまいました。後述します)。
9/21時点でのアリーグにおけるwarランキングですが
1位 大谷翔平 8.0
2位 マーカス・セミエン 7.0
3位 カルロス・コレア 7.0
4位 ロビー・レイ 6.7
5位 ゲレーロjr 6.6
と大谷翔平がダントツで1位です。
(これはrwarのランキングですが、fwarでも大谷が現在1位)
本塁打王を逃せば、大谷翔平は主要タイトルタイトルなしとなってしまい、一見見栄えに欠ける成績になってしまいますが、そもそもの話として、チームにどれだけ貢献したかというwarという目に見える成績において実は大谷が1位という状況があります。
warはもう少し日本でも浸透するべきで、例えばスポーツライターの肩書を持つ、乙武洋匡さんですら、2018年に大谷が新人王を獲得した際、「2位のアンドゥハーの成績が凄まじい。大谷の受賞は将来性込み」と誤った評価をしていました。
(このシーズンのwarは大谷>>アンドゥハー)
トラウトはセイバーの申し子と呼ばれるほど、このwarで他選手を圧倒しており、3度MVPを獲得しています。
2つ目の理由は、インパクト、印象点です。
打者と投手の2刀流を、ベーブルースより高い次元で、ベーブルースの時代よりもレベルが高い時代にやってのけた偉業は、MLB界隈に相当強いインパクトを与えています。
思えば2001年のイチローも、war等の成績ではチームメイトのブーンに負けていましたが、センセーショナルなインパクトでもってMVPを獲得していました。
(逆に2004年はwarで1位でしたがMVPは獲得できず)
タティスjrやAロッド等、超一流の選手達からも驚きの声が上がっており、どちらかというとwarよりも2刀流成功のインパクトが、MVPを後押ししてくれるはずです。
唯一大谷のMVPが脅かされる可能性があるとすれば、ゲレーロjrが三冠王を獲得した場合ですが、現状打点差が大きく2冠王止まりの可能性大です。万が一ゲレーロjrが3冠王と獲得したとしても、3冠王は2012年にミゲルカブレラが達成したばかりですので、それでも個人的には大谷が優勢だと思います。過去にはテッド・ウィリアムズが2度、三冠王を獲得しながらMVPを逃したシーズンもあります。
(ゲレーロjrはオリオールズという防御率ダントツ最下位の雑魚球団と同地区であることも、打撃成績に一役かっています。本塁打の数でも得していますが、そこにケチをつける気はありません)
新人王、MVP、サイヤングなどMLBの各種アワードは、総合成績とインパクトとタイトル数でもって選出されていることは明らかで、前者2つで圧倒している大谷は、間違いなくMVPに相応しいです。
2021年度はレベルが低い
warの数字が例年よりも低い水準で争われており、残念ながら数字上のレベルは低いです。
2018年のベッツ、2016年と2012年のトラウト、2009年のグレインキー、2004年と2002年と2001年のボンズはwar10以上で、2019年のブレグマン、2015年のハーパー、2011年のクリフリーらがwar9.0以上と、war8台でしかも前半となると、近年まれにみる低水準です。
(過去のwarトップには薬物使用者や、サイン盗み常習者も含まれていますので、一概に比べられない面もあり)
war7台は過去にない低いレベルになってしまいますので、何とか8越えで着地して欲しいです。
前半戦はwar12ぐらい到達しそうな勢いでしたが、そこだけは個人的に無念です。10勝45本はクリアして欲しいところです。とはいえ22歳で三冠王レベルのゲレーロjrと、野球の歴史を変えそうな大谷の鮮烈な印象は、ある意味数字を超える価値があるはずです。
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