リンクマンと呼ばれるピッチ上での役割と、香川真司の現在の適正ポジションについて。
ドルトムント一期目の香川はチームのフィニッシャーとして、コンスタントに点を取って分かりやすい貢献をしていました。しかし今の香川、実はサッカーにおけるスタイルが相当変わっています。
リンクマン
現在の香川の役割を端的に表現すると「リンクマン」です。
以前からある言葉ですが、
この北健一郎さんと清水英斗さんのライター対談が分かりやすかったです。
2015年時点で既に香川はフィニッシャーではなく、リンクマンとしての可能性を見出されていました。
リンクマンとは
主にインサイドハーフに位置し、守備陣が奪ったボールをフォワードにボールを供給する役割。
ロシアワールドカップでは、DFが奪ったボールを一旦柴崎に預け、そこから香川にボールが渡り大迫などFWにパスを散らす場面が多く、非常に有効でした。香川が下がらずボールを持てるようになった柴崎の存在は非常に大きかったです。
現役選手ではモドリッチなどが代表例で、基本的には黒子役、献身性を求められるポジションになります。
マンUでの挫折
ファーガソン直々の指名で香川はマンチェスターユナイテッドに移籍したんですが、ファーガソンが1年で辞任したのが最大の誤算でした。
(ファンペルシの加入も大きかったですが、ファーガソンさえいれば多分香川はまだマンUでやれることは多かったはず)
順調すぎるほどキャリアを重ねていた香川選手ですが、ファーガソンの後任となったモイーズ監督が脳筋サッカーを始めたので、個人での打開力に欠ける香川は出場機会を奪われていくことに・・・
(レアルマドリードのモウリーニョからもターンオーバー要員ながらオファーは来ていたようなので、今考えるとマンU以外のビッグクラブに行っておくべきでした。)
そんなこんなでマンUで点を取れなくなり、第二期ドルトムントへとキャリアを移行した香川ですが、その挫折の過程で模索し辿り着いたプレースタイルが、現在のリンクマンの姿です。
物足りない活躍
ワールドカップでも香川はリンクマンでした
柴崎と昌子の覚醒がなかったら、ここまで戦えてなかっただろう。
昌子の安定したカバーリングでまややがやらかさなくなったw今日の香川はリンクマンに徹していて結構効いてた。
ただ、得意のはずのエリア付近での決定的な仕事が出来なくなってた。
数年来の不調なのか、既に衰えたのか。— Ringino (@DjRingino) 2018年6月24日
やはりドルトムント時代の得点能力のある香川を知っていると物足りなく感じているファンは多いようです。私も正直寂しくはあります。
中田英寿
あの中田英寿も
ゲームメイカーというより決定的な仕事をする選手になって欲しいし、その資質があると香川を評していました。今考えると、日本人の気質や環境面での弊害で、フィニッシャーではなくなってしまう事を危惧していたのかもしれません。
香川にはそれをやれるだけの能力があったと思いますが、周りに依存する選手でもありますし、良質なチームでの生存競争を勝ち抜くために、本人が選んだ選択でもあるので、尊重しなくてはいけません。
何より香川のリンクマンとしてのパフォーマンスは素晴らしいものがあります。
リンクマン香川
とにかく判断とタッチが速いのが武器になっています。レベルの高い試合のあの位置であれだけボールをキープできるのは日本代表では香川だけです。
黒子役なのでうまく世間に活躍が伝わらないのが歯がゆいところですが、専門家などから高く評価されているのが救いでしょうか。
あとはミドルシュートがあればビッグクラブのレギュラーになれていたんですが、まあ無理を言っても仕方ありません。香川は今回のワールドカップで市場的には評価を上げたので、移籍の動向にかなり注目しています。
そのうち香川の移籍先候補などについても記事にする予定です。