大晦日各局の視聴率が発表されました。残念ながら我らがRIZIN20の視聴率はとんでもない低調ぶりでした。1年半ぐらい前からですかね、RIZIN打ち切りは時間の問題ではと危惧してきましたが、今回ばかりはファンも心配していました。※RIZIN26の視聴率は全体平均で6%弱、2部が7%越えでした。
何故RIZINは視聴率が低いのか、ここから視聴率を上げていくためにどうすればいいのかRIZINの問題点について紹介します。
▼フジテレビ「RIZIN.20」
3・2%(後7・00~9・00)
5・2%(後9・00~11・00)
3・7%(後11・00~11・45)紅白裏視聴率 テレ朝躍進「ザワつく!一茂良純ちさ子の会」が民放2位「ガキ使 笑ってはいけない」も復活― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://t.co/WTSnu0pynV
— ジャン斉藤 (@majan_saitou) 2020年1月2日
RIZIN2019の視聴率は以下
3.2% 第1部(19:00~20:45)
5.2% 第2部(20:45~22:30)
3.7% 第3部(22:30~23:45)
3%台はシャレにならないです。
はっきりいって試合内容は面白かったです。特に那須川天心の試合は、仮に15%の日本国民が見たとしても満足してもらえるような出来だったはずですが、テレビ視聴率とコンテンツの質は必ずしも比例しないところが悩ましいところです。
ちなみに他局の視聴率は以下
NHK 紅白歌合戦
34.7% 19:15-20:55 第1部
37.3% 21:00-23:45 第2部
日テレ ガキの使い笑ってはいけないシリーズ
16.2% 18:30-21:00 第1部
14.6% 21:00-00:30 第2部
テレ朝 ザワつく!大晦日一茂良純ちさ子の会
10.0% 18:00-19:00 第1部
8.2% 19:00-22:00 第2部
3.8% 22:00-23:45第1部
TBS ボクシング 井岡一翔対シントロン
4.0% 19:00-23:25 第1部
5.0% 23:25-23:55 第2部
テレ東
7.3% 16:00-22:00 忘れにっぽんの歌
4.7% 22:00-23:30 孤独のグルメ2019大晦日スペシャル
民放最低という視聴率です。テレ東にすら負けてしまいました。
視聴率なんかしゃらくせえと言いたいところですが、キー局のバックアップなくして大規模な興行は難しいですし、そもそも榊原信行代表が視聴率に拘っているので、これは論じられても仕方がないです。
↑ ※2020年年末に行われたRIZIN26についての記事
RIZIN視聴率が低い理由
・裏番組が頑張りすぎ
・そもそも若者はテレビ見ない
・youtubeにアップされるし後で見ればいいやというファン多数
・軽量級メインで迫力不足
・出場選手の知名度不足
・レベルの低さがバレている
・格闘技は長時間放送と親和性が低い
こんなところが言われていました。ひとつづつ考えてみます。
「ガキの使い」と「一茂良純ちさ子」が頑張りすぎ
日テレの「ガキの使い笑ってはいけない」の視聴率は16%、テレ朝の「ザワつく!大晦日一茂良純ちさ子の会」も第1部10%と裏番組が頑張りすぎです。
ガキの使いは仕方ないにしても、一茂良純ちさ子の会がここまで頑張るとは恐らくテレ朝の方々も想定外だったと思います。長嶋一茂さんや高嶋ちさ子を駄目といってるわけじゃないですが、体張って戦っているRIZINの選手達はやってられない心境かもしれません。
そもそも若者はテレビみない。youtubeで後で見る派
特に大晦日はそうかもしれません。といってもこれは分かった上で大晦日の地上波放送に参入したわけで言い訳にはならないです。
あとはyoutubeにどうせアップロードされるから後で見ればいいというファンの擁護もあるようですが、youtubeは以前よりグレー動画に対して厳しくなっていますし、格闘技というかスポーツはリアルタイム観戦の割合がバラエティやドラマより高い傾向にあるので、これも言い訳にはならないです。
ただし5時間の放送時間と短い試合時間の相性は悪く、ちょろちょろチャンネルを変えられ視聴率を下げてしまう側面はありそうです。
レベルが低い
今のRIZINはUFCに比べるとかなりレベルが低いです。お茶の間もうっすら興覚めしているのかもしれません。
(一部選手はUFCを口にしていますし、フジテレビは世界最強を謳っているので比べられるのは仕方ないです)
サッカーでいえば海外トップリーグとJリーグ、野球でいえばメジャーリーグとプロ野球のような関係性になっていますが、やはりそれらのスポーツは視聴率では苦しんでいます。一方観客動員数では好調で、実はRIZINも2019年は3万人近くを集める人気ぶりでした。
出場選手、試合カードの問題
まず軽量級中心というのはネックです。昔人気だったPRIDEやk1はヘビー級の有力選手を揃えていました。
加えて知名度もイマイチ浸透していないです。キャラクター不足ということもありますが、地上波への露出不足も原因の一つでしょう。朝倉未来や朝倉海などはyoutubeで人気ですが、テレビの視聴率には全く結びつかないことが明らかになりました。
RIZIN歴代視聴率
2015
5.0% 第1部(19:00~20:45)
7.3% 第2部(20:45~22:30)
3.7% 第3部(22:30~23:45)
2016
5.6% 第1部(18:00~19:00)
7.1% 第2部(19:00~21:00)
5.7% 第3部(21:00~22:50)
3.6% 第4部(22:50~23:45)
2017
4.8% 第1部(18:30~19:30)
6.4% 第2部(19:30~21:30)
6.2% 第3部(21:30~22:50)
4.3% 第4部(22:50~23:45)
2018
5.7% 第1部(18:00~19:00)
5.0% 第2部(19:00~21:30)
6.9% 第3部(21:30~22:50)
7.5% 第4部(22:50~23:45)
2019
3.2% 第1部(19:00~20:45)
5.2% 第2部(20:45~22:30)
3.7% 第3部(22:30~23:45)
去年少し盛り返したのはメイウェザー効果ですかね。今年は目玉選手がいませんでした。
榊原さんのコメント
抱負は。
「紅白は無理だがガキ使には勝ちたい」
ベラトールジャパンについて。
「(ヴェノムペイジは)とても魅力的な選手ですが、魅力的以上にアメリカで活躍する選手はギャラが高い。経済効果とバランスを考えないといけない。
ペイジ、チャンドラー、ヒョードル、ランペイジを使うと、僕らがさいたまスーパーアリーナを今のチケット単価でソールドアウトして協賛を集めてもとても足りないファイトマネーなんです。アメリカだから収支が合う。そこはベラトールの力を活用して僕らがサポートしたりすることで、選手は日本で戦いたいとの想いを持っているので、(ベラトールCEOの)スコットにおんぶにだっこでパラサイトしていこうと思います」
切実ですね。日本人選手達のギャラも高くはないのでしょう。
ボクシングは好調
格闘技が視聴率を取れないわけではありません。ボクシングでは村田諒太と井上尚弥は徐々に視聴率を取り始めています。
一つ前の試合では
村田諒太
平均視聴率 12.3%
最高視聴率 15.5%
井上尚弥
平均視聴率 15.2%
最高視聴率 20.5%
と健闘していました。村田諒太は以前20%近くいっていましたし階級が重いというのは限りなく必須に近い条件なのかもしれません。井上尚弥は芸能人や局が凄いと持ち上げてくれたこともあり、お茶の間にポジティブに認知されたのかなと思います。ただこれに関しては彼ら二人が特別なだけという見方もできます。井岡一翔などは微妙な視聴率でした。
※2020年年末の井岡はー田中戦で11%と健闘。
今後のRIZINはどうすればいいのか
年の瀬じゃなく打ち切りへのカウントダウンのようにも感じてしまいますが、今までも一桁で存続してきたので、案外運営コストは高くないのかもしれません。といってもさすがに3%はよろしくないです。
今後ですが地上波で放送するなら色物キャラの投入が必要かもしれません。重量級や中量級の一線級を連れてくるのは、ギャラや契約の面で今のRIZINには無理です。となるとPRIDEの金子賢、k1の曙のように芸能人などの試合で手っ取り早く興味を引く道があります(これやるとコアなファンは離れますが)。榊原さんは競技性を大切にしてくれていますが、それで結果が出なかったので方向転換はあると思います。
逆に地上波に見切りをつけて、有料放送と会場への集客やグッズ販売などで運営していけるビジネスモデルにする選択肢もあります。理想をいえばこっちですが、PRIDEなどはフジテレビの撤退によって衰退したので同じ轍を踏んでしまう可能性もあります。アメリカのPPVやCSと違って日本には有料放送を見る文化が根付いていないのもネックです。
何れの選択もいばらの道ですが、今のままではまずいことは間違いありません。何らかの変革は必要になると思います。