RIZIN28が東京ドームで開催されました。
これまでRIZINに対しては批判めいたことをいうことが多かったのですが、限られた条件でここまで素晴らしい大会を作り上げた榊原社長と選手達に拍手を送りたいです。
朝倉未来が負けた瞬間、若い女の子がワンワン泣いてた。18年前、ノゲイラの逆転の一本勝ちで小池栄子が号泣してたのを思い出した。こういう本気のファンがRIZINにもいてくれてうれしかったよ。日本の格闘技は死んでなかった。#RIZIN28 #RIZIN pic.twitter.com/XQjlGNal5Y
— オレンジ (@mma_the_orange) June 13, 2021
ではそれぞれの試合の総括を
朝倉未来vsクレベルコイケ
戦前の予想で一番多かったであろうクレベルコイケの一本勝ちとなりました。
(元格闘家ユーチューバーたちは、朝倉未来の勝利予想も多かったようですが、ほとんどはyoutubeに朝倉キッズを取り込むための建前で、掛け値なしの本音で考察している格闘家はほとんどいないです。青木真也なんかは割と本音で語ってますが)
これクレベルが審判に失神してる事伝えなきゃ朝倉危なかったんじゃね?
あとちょっと遅れてたら普通に命に関わるで#RIZIN28 #クレベル #朝倉未来 pic.twitter.com/hzrANYOvrf— ヒッキー (@8yuki_gairu) June 13, 2021
個人的には1ラウンド思ったより朝倉未来が頑張っているなと感じました。もっとあっさり寝技に引き込まれて極められるかと思いきや、三角絞めの対策を頑張っていたので何度か凌いでいました。
(といっても現代の総合格闘技で、グラウンドで上のポジションを取っておきながら有効な攻撃手段がないどころか、むしろ後手にまわらなければいけない偏ったスタイルは褒められたことではないですが)
敗因ですが、完全な地力での敗北なので、何かの選択ミスとかそういう話ではないです。スタンドですらローを効かされていましたし、組み際の攻防でも肘で後手に回っていました。
一度クレベルコイケがボディを効いたそぶりを見せていたので、あれがブラフじゃなければ、朝倉未来はもっと積極的にいってもよかったかもしれません。斉藤戦でも慎重になりすぎて勝機を逃していました。といってもクレベルのような曲者が効いたフリをするのは珍しくないので、まあ何とも言えませんかね。
タップしない理由と今後
完敗
記憶もあるので大丈夫です
やることはやってきたので後悔はないけど、素直に悔しい
今後のことは少し考えます
けど格闘技という道にきて、歴史的な東京ドーム大会のメインで試合出来たことは一生忘れないです。
応援してくれた方々ありがとうございました。
— 朝倉未来 Mikuru Asakura (@MikuruAsakura) June 13, 2021
朝倉未来は引退を示唆するようなコメントを残していました。タップしなかったのは本職となりつつあるyoutubeで自身を支えているフォロワーたちへのアピールと、あとはテレビ局がやたらとタップしないと煽っていたのでそれも多少縛りになってしまったかもしれません。あれは良くないです。
さて引退ですが、youtubeはしばらく安泰でしょうし、この先格闘家としての上がり目があるかと言われると厳しいので、タップしないことで熱心なフォロワー達への体裁を保つことにはかろうじて成功したこのタイミングでの引退は悪くない判断だと思います。
格闘家としての等身大の実力は、朝倉未来が連勝街道を走っていた当初から私が言っていた通り、「国内トップクラスの一人」「世界的な強豪にはまず負ける」「UFCでは通用しない」といった範疇の選手かなと思います。
そのレベルの実力で、東京ドーム大会でメインを張る人気を得た自己プロデュース能力は素晴らしいの一言です。youtubeという神器を手にした幸運もありましたが、国内レベルの格闘家達のロールモデルとなったのではないでしょうか。
対戦相手めっちゃ朝倉未来のこと心配してくれてた#RIZIN pic.twitter.com/zZI50MXbyF
— 高坂アスカ (@Kousaka_Asuka) June 13, 2021
クレベルコイケが失神した朝倉未来を煽っているのではという批判もありましたが、これはタップしなかったことを咎めているだけかもしれないので、現状何とも言えません。
まあでも多分煽り行為だと思いますけどね。
大昔にヒクソングレイシーが船木誠勝を失神させた後も、背中を蹴って'気つけ'をしていたとの意見がありましたが、どうみても目を殴られてイラついているだけに見えました。
今回のクレベルコイケはイラついてはいませんでしたが、高揚して冷静さを失っていたように見えました。レフリーはもう少し早く試合決着に気付いても良かったかもしれません。
あとは朝倉未来選手の失神画像を煽るアンチたちがわんさかいましたが、懸命に戦った姿をバカにするのは個人的には好きじゃないです。
クレベルはUFCで通用するのか
グラウンドができない朝倉未来相手だから引き込んだのは分かりますが、そうはいってもかなり寝技に偏ったスタイルなので、UFCのランカー相手に同じことができるかというと難しいかもしれません。
ここ最近だとヌルマゴという化け物みたいなグラップラーがいましたが、彼は寝業師というよりレスリング力にモノを言わせ削っていくタイプで、ブラジリアン柔術の極めに特化したタイプとは違います。しかもそんな彼でも打撃にはある程度付き合っていました。
打撃に付き合わない愚直なタイプが輝いたのは、ブロックレスナーが最後じゃないですかね。しかもあれはヘビー級でしたから、今はもうレスリングや柔術式の寝技一辺倒で多様な相手に勝ちづつけるのはかなり厳しいです。
ただクレベルも打撃が一切できないわけではないですし、日本在住という応援したくなるバックボーンを持っているので、何とか頑張って欲しいです。
スダリオ剛敗北
有名とはいえないシビサイ頌真に負けてしまいました。
日本人じゃ誰も勝てないんじゃないかという声も少なくなかったのですが、総合格闘技はそんなに甘くないです。かつては把瑠都も似たような淡い期待感をいたいけな視聴者に抱かせていましたが、老いたミルコクロコップに完膚なきまでに叩きのめされていました。
RIZINにもう少しお金があれば、期待感が高まっている段階で石井慧なりアリスターオーフレイムなりと試合を組んで打ち上げ花火にすることができたはずなんですがね。そこはちょっともったいなかったです。
メッキをはがされてしまったスダリオ剛ですが、まだ若く戻る場所がない彼はやる気はあるはずなので、まだしばらく期待はできます。
朝倉海と井上直樹
朝倉海選手はトーナメントに出てきて立派だと思います。仮に優勝すれば心情的に彼に肩入れするファンはかなり増えるのではないでしょうか。
兄と同様打撃偏重の偏ったスタイルですが、スピードがありテイクダウンディフェンスも悪くないので、今後の成長次第では世界の強豪に勝てる可能性を感じさせます。
対する井上直樹も国内では突出しており、この二人の試合は楽しみですね。トーナメントなので実現するかどうかは分かりませんが、順調にいけば戦うことになるはずです。
どちらも打たれ強いタイプではなさそうなので、先にあてたもん勝ちのスリリングな展開になりそうです。
ムサエフーサトシ
三角締めでサトシ選手が一本勝ちしました。
ムサエフは日本国内で試合をしている外国人選手の中では圧倒的に応援していただけに敗北は残念です。1年以上従軍していたようなので試合勘が戻っていれば違う結果になっていたかもしれません。ムサエフの復活に期待しています。
ネットの反応
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