PFPといえば、階級関係なくボクサーを評価する一つの概念です。(カブトムシが巨大だったら人間より強いみたいなそんな考え方)
近年そのPFPで最強候補といえば、村田諒太選手と同じミドル級のゴロフキンでした。(そのちょっと前はローマンゴンザレスとか西岡利晃と戦ったドネアとか)
しかしこのゴロフキンがここ最近加齢で少し衰えてきたのもあり、ボクシング界最高評価の地位がちょっとだけ揺らぎつつあり、そこで一躍PFPランキングトップ候補となっているのが、先日リナレスに勝利したロマチェンコです。
ロマチェンコ
この選手はパっと見ボクサー向きの体型ではありません。
身長168cmに対してリーチ166cmですよ。身長はともかくこのレベルの選手でこの距離の短さはかなり異例です。
試合を見ていると、その強さに畏れると同時に、体型が我々モンゴロイドの日本人にも近いので、がんばれば日本人でもこのレベルの強さになれるのでは?と淡い期待を抱かせるボクサーでもあります。
リナレス×ロマチェンコ=ダウンシーン RT @fearthe_beard11 LINARES DROPS LOMA IN RD6! Wow! pic.twitter.com/cUqE65QN80
— MMA.vaobhr (@vaobhr) 2018年5月13日
先日のリナレスとの試合でのダウンシーン。リーチが短い分、深く踏み込む必要があり、そこを叩かれた感じです。
ただリーチは短いですが、その分接近したときの回転力や踏み込むタイミングとスピードは高いレベルで、技術はオリンピックで2連覇したほどなので文句のつけようがありません。
アマチュア歴が長いのは出身国ウクライナだからですかね。
ウクライナといえばクリチコ兄弟もそうですし、定期的に強い選手を産出してます。ボブチャンチンもウクライナですね。ウクライナなのにロシアンフックという間違った設定がかわいそうでした。
オリンピック2連覇した分アマチュア歴が長く年齢は若くありません。あと何試合力を維持できるか分かりませんので、今後も試合を見逃さないようにしたいと思います。
【試合の動画】リナレス対ロマチェンコ
凄い試合でした。
リナレスは一応帝拳ジムにも所属しているので、年間最高試合に選ばれると思います。
リナレス勝てると思ってた…#ボクシング #ホルヘ・リナレス #リナレス #ワシル・ロマチェンコ #ロマチェンコ #リナレスvsロマチェンコhttps://t.co/WRyGSDoZz7 #sm33201956
— DWIW (@IWDWIW) 2018年5月13日
試合終了時点での採点は割れていたみたいなので、本当に惜しかったです。
リナレスは負けましたがベストバウトではないでしょうか。
ホルヘ・リナレス
こういう試合があるからボクシングはたまらない。ロマゴンVSエストラーダとかね。リナレス、まだまだ続けて欲しい。#ロマチェンコ#ホルヘリナレス
https://t.co/kYLeNg8tZw— koji ueyama🍅YMY🍅 (@2009_koji) 2018年5月14日
リナレスはスピードと技術は申し分ないんですけど、打たれ弱いんですよね。
今回はボディで元々骨折していたあばらという影響もあったかもしれませんが、以前かませ犬と思われていたサルガドに1Rでノックアウトされたりと、耐久力に不安があります。
特に顔面の耐久力は生まれ持っての才能で、なんだったらその辺のラーメン屋で働いてるおじさんのほうが打たれ強い可能性もあるような要素なので練習ではほとんど改善できません。
リナレスぐらいの選手になると貰わない戦いを目指すこともできるはずですが、そうすると試合がつまらないとも言われてしまい悩ましいところです。
帝拳ジムと同時にデラホーヤのゴールデンボーイプロモーションにも所属しているので、今後も強豪とマッチメイクされていくと思いますが、勇敢に戦いつつも被弾を避けて、面白さと堅実さを両立させたボクサーになってほしいです。
日本にいた時からフレンドリーで人格も優れた選手だと聞いているので応援しています。
ロマチェンコの評価
試合は最高でしたが、もしかすると評価は下げたかもしれません。
始めて底を見せた感じがしますし、リナレスも強い選手ではありますが最強クラスではないので、今後この階級で強い選手と戦い続けていけばどこかで負けてしまう気がします。
一つ前の試合でリゴンドーを倒した時のスーパーフェザー級(一階級下)の方が、明らかにパフォーマンスが良かったです。
今回奪取したベルトはWBAライト級、前回はWBOスーパーフェザ―級と団体も異なり、WBOからは数日以内に階級をどうするのかロマチェンコに結論を出すよう要求しているようですが、どうなるんでしょうか。個人的にはスーパーフェザーに戻して戦っていってほしいです。
次の試合をまた楽しみに待ちたいと思います。