明石家さんまの師匠であり落語家としても名を馳せた、笑福亭松之助さんが93歳でお亡くなりになりました。老衰で大往生ということもあるので、芸人らしく重さのない惜別になるとは思いますが、笑福亭松之助なくして明石家さんまはいないといってもいい偉大な落語家です。
笑福亭松之助さん 死去 さんまさんの名付け親 #nhk_news https://t.co/xVS9AETepT
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年2月22日
明石家さんまさんにとっては名付け親でもあります。一方でさんまのために明石家の亭号を与えたというニュース記事もありますが、これは微妙にニュアンスが違って、元々笑福亭松之助師匠の一門には明石家の名前を与えられた弟子が他にもいました。
明石家さんまと笑福亭松之助の関係などについて色々考えてみます。
最後の共演
ずっと良好な関係だったお二人ですが、テレビでの共演は数えるほどでした。しかし松之助師匠が90歳になったときに、全国放送の「さんまのまんま」にて出演されています。これが最後の共演となりました。
90歳とは思えないほど元気でハツラツとしていますね。引かれない程度に自虐ネタもうまく使っていてさすがです。背筋を伸ばさないと飲んだお茶が入っていかないは笑いました。
さんまのまんまではお孫さんも登場。
さんまが「やっぱり孫はかわいいもんですか」と聞くと、「いや、かわいないなぁ」と答えて会場を沸かせていました。勿論ほんとうはかわいいんでしょうけどね。あのビートたけしも孫はかわいいと言っていたそうですし。
しかも自分が連れてきたわけじゃなく、孫がかってについてきたみたいなハイセンスなことも言っていました。落語家の中でもかなり砕けたタイプだったらしい松之助師匠の良さが存分に発揮されてます。
さんまは何故松之助を選んだのか
松之助師匠が自身の落語にて、仮面ライダーの仮面を砂糖壺に例えたのをさんまが面白く思い、松之助になんで俺を選んだのか聞かれた際、「師匠はセンスがあるから」と後々考えると少々無礼なやりとりがあり、弟子入りしたそうです。
こちらがその時の落語と言われています。ちなみに明石家さんまが弟子入りしたのは1974年、高校2年の時です。
当時は今のようにお笑い養成所がなかったので、芸人になるには弟子入りするというのがこの世界の常識でした。
島田紳助やさんまによると、各々の弟子連中は部屋で集まって他愛もない雑談をしながら切磋琢磨し、一人また一人と脱落していき、本当に自信を持った者が残ったそうです。(中には他にやることがなく残っただけの芸人もいるのでしょうが)
明石家さんまは小林繁の形態模写などで、いち早く人気者になりますが、決して順風満帆というわけでもありませんでした。
松之助の器の大きさ
弟子の明石家さんま(当時は笑福亭さんま)が若い頃に、彼女と駆け落ちして大阪から東京に行ってしまったことがあります。普通ならクビになるところですが、松之助師匠は何も言わず戻ってきたさんまを受け入れます。
さんまに対しては落語をしないのに、笑福亭を名乗っていることに、落語界からはネガティブな評価もあったので、駆け落ちのケジメも兼ねて、笑福亭さんまから明石家さんまに名前を変えさせ、全ての問題を解決することに成功しました。
弟子思いということもそうですが、伝統芸能の世界にいながらこの自由な発想は、さすがさんまの師匠といったところでしょう。
明石家は他にもいた
「明石家つる松(橘家圓三)」、「明石家小禄(五所の家小禄)」、明石家のんき(松之助師匠の息子)、パーポ明石(これまた実子)、などが明石家の亭号を与えられています。
橘家圓三に関してはさんまより先に明石家を名乗っていますし、明石家さんまのために用意された特別な亭号ではありません。
とはいえ明石家さんまのテレビタレントとしての能力を一早く見抜いていたのは事実でしょう。息子たちに対しては、自分の笑福亭ではなく、弟子の明石家号を名乗らせるという松之助師匠らしい対応をしています。
弟子の五所の家小禄(ごじょのやころく)は追放
五所の家小禄はさんまの兄弟子にあたります。
明石家さんまと五所の家小禄は良く一緒に営業などにいっていました。明石家さんまがやしきたかじんに恩義を感じる出来事となった、とある喫茶店での営業も五所の家小禄とさんまは共演しています。
(台風で誰も客がこない中、喫茶店の常連だったやしきたかじんだけが見に来てくれたそうです。)
五所の家小禄もハイカラな芸風で人気はあったそうなんですが、所属する吉本興業を介さず営業(所謂闇営業)をするなど、違う方向に破天荒でした。あげく芸人仲間たちから集金したお金を持って逃げるなどして、追放され現在は廃業しています。
明石家さんまは勿論天才だと思いますが、運命を分けたのは才能だけではなく、運や人間性や人との出会いも大きく関与しているんですね。何かが違えば五所の家小禄が今のさんまのようになっていたかもしれません。
明石家さんまは葬式に行かない?
さんまは葬式に出ない信念があるという話もありますが、普通に葬式には出席しています。ただしコメントを残さないので、葬式にでないというウワサが独り歩きしたのでしょう。
【さんま 師匠の思い出を笑いに】https://t.co/G8K5PqcnYm
明石家さんまが23日、前日に93歳で亡くなった師匠の笑福亭松之助さんに言及。東京から駆けつけると、「なに来てんねん、アホ!」と、面会部屋を1分で追い出されたと言い、笑わせた。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年2月23日
生前、松之助が少し危ないという話を聞いて駆け付けたものの追い返されたそうです。
今回は何かコメントも残されるでしょう。
松之助師匠もさんまに近い信念があり、『オレ(松之助)の葬式ではオマエ(さんま)が弔問客を笑わせてくれ』という言葉をさんまに伝えていたそうなので、悲しくも笑いのある惜別になるのではないでしょうか。
ファンの反応
さんまさんのお師匠様は、さんまさんの才能わや見出して、「テレビで司会者やり」と押し出してくれたとか。
なかなかの傑物だったのだろうなぁ。— ことポエム (@KotoPoem39) 2019年2月23日
さんまの笑いは天才。毒がない。師匠の死間際の言葉をネタにしても毒を感じさせない。それでいて面白い。もう一人の笑いの天才、島田紳助とは真逆のタイプ。ゆえに万人にウケル。まさしく天才。
— 松本博逝(一応、小説家です) (@catfish196726) 2019年2月23日
さんまさんが落語家のお弟子さんだと母から聞いていたのですが、明石家って落語家いないけど、どの落語家なんだろう?とずっと思っていた。
この方だったのですね。
明石家の名前の由来も分かって、深いなあと思った。
どうか安らかに……。— ゆいりー&桜❀ 2/16銀魂併せa!さいたま新都心 (@yuiriy_sakura) 2019年2月22日
さすがのさんまさんもショックでしょうね。素晴らしい師弟関係でしたから。ご冥福をお祈りいたします
— 祥さんのフォロワー増加へ (@syosan0611) 2019年2月22日
さんまが引退したら日本全体の元気がなくなるだろうな
クラスで一番のひょうきん者が引っ越した翌日みたいに
さんまくん、ホンマは弱い子やから心配
深見千三郎、赤塚不二夫、そして笑福亭松之助と、
ビッグ3の師がこれで全員死んだ
死因が老衰って一番羨ましいやつ