2020年の年明けに東京都新宿区西新宿のJR新宿駅南口にある歩道橋で、30代の男性が首つり自殺した事件で、下にある甲州街道から多数の野次馬がスマホで撮影するという異様な光景が目につきました。
当然ながら批判の対象になっていましたが、一部ではスマホによる被害者の撮影を肯定する声もありました。一連のやり取りなど紹介します。
■ TNN NEWS 速報 ■
6日12時半ごろから、JR新宿駅の甲州街道跨線橋を跨ぐ歩行者用の陸橋で、首吊りをしている人が発見され、警察や消防が対応にあたっています。 pic.twitter.com/Tt9KXbEPBd
— TNN NEWS α (@Trainfo_NEWS) 2020年1月6日
新宿の南口で首吊り自殺をした人が
居たらしいです...辛かったと思います
ご冥福をお祈り致します。上の文だけを見れば「自殺した人が居たんだ...」で終わるかも知れませんが無数のスマホが彼の写真や動画を撮ったりしてる人達が居たって所を読んだ瞬間に恐怖しか覚えませんでした。
— まっしゅー🦑 (@Ky0v1) 2020年1月6日
自殺した男性はこの場所を選んだということは、止めて欲しかったのでなければ、死後に自身の死体が興味本位で撮影されSNSにアップされることは覚悟していたのかもしれませんが、それを踏まえたとしてもモラルの欠如は否定できません。個人的にもスマホでの被害者撮影はNGです。
(亡くなった男性は精神障害があり、知人に自殺を仄めかす発言をしていたようです。)
新宿駅南口の首吊りしている人を助けようともせず興味津々にスマホで撮影したり、「首吊り自殺なら迷惑にならない場所でしろよ」って言うの、さすが自殺大国ニッポンって感じ。
他人に冷たい社会が自殺者を増やす。https://t.co/c4Rpwk0Jcp
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) 2020年1月6日
スマホ撮影だけでなく、他でやれという心無い意見もあったようです。
ただもしかすると、仮に外国であっても似たような状況になるかもしれません。動画共有サイトでは外国人が深刻な状況の被害者を撮影したであろう動画も割とあったりもします。批判は当然ですが、日本だけがそうなのかというとちょっと分からないです。
国の自殺率ランキング
ソースによって日本の順位は7位、8位、13位と変動がありましたが、概ね10位前後のようです。
そんなに自殺の幇助したら自殺者が増えて大変なことになるのでは!?と思うかもしれないが、この図を見てほしい。この図の自殺には安楽死も含まれている。しかし安楽死先進国のオランダはランキングに入っていない。 pic.twitter.com/VtEEi1A08A
— 統合の失調(てすら) (@Kohler_volnt) 2019年6月9日
残念ながら先進国の中ではかなり上位でした。これからの景気次第では状況は更に悪化するかもしれません。
『戦場カメラマンと変わらない』開き直りか正論か
新宿の首吊り自殺をスマホで撮ってる人が叩かれてるけど、ダメな理由を論理的に説明してくれ。そんな事も分からないのかは無し。じゃあ戦場カメラマンはどうなる?飢餓の現実を伝える人はどうなる?思考停止の感情論で言動を封殺するのはやめてくれ。辟易する。そんなもんは動機次第。お花畑の糞共が。
— 革命家 後藤輝樹様 (@gototeruki) 2020年1月6日
確かに言われてみればそうだ
— ✂️こ あ つ う✂️ (@core2san) 2020年1月6日
自分は撮影する人の気が知れないと思う方の人間だけどそれは単に撮る奴の動機が気に食わないからですね。これも感情論なのかもしれません。
— tacoflapper (@tacoflapper) 2020年1月6日
公衆の面前で死ぬってことは晒しものになってもいいってことじゃないの?笑
— ぺーる♂ (@PeeL_888) 2020年1月6日
炎上狙いの釣り発言かもしれませんが、チラホラ似たような意見がありました。
ネットの反応まとめ『動機が違う』
自殺する人を減らしたい等の高い志を持った人なら常識的に考えてSNSに写真上げたりはせず、現実世界で自殺者のために何かしらの行動を起こしていると思うので、今回の件で写真撮ってる人はそういった志のある人ではないと思いますよ。だから叩かれても仕方ないと私は思っています。
— 端寄ちゃんた (@chanta_yaotyu) 2020年1月6日
野次馬と仕事じゃ意味も理由も違うんだよなぁ…。
人の死を興味半分面白半分に撮ってる人と
命がけで戦地で戦争の悲惨さを伝えてる人と— 人工知能持ちのプリン🍮@フォローご自由に (@Moon_Somersault) 2020年1月6日
輝樹さん好きだけどこの意見はちがうな。動画見てないから状況がわからんけどカメラ向けるより先に出来ることあるんじゃないですか?
— ハク/オルクス (@Riina2923) 2020年1月6日
補足です。恐らく彼らと戦場カメラマンとの違いは「啓蒙」という大義名分だけで、やってる行為は同じだと仰りたいのかもしれませんが、そもそも彼らに対して戦場カメラマンを引き合いに出すこと自体如何なものかと。
例えがこれでいいのか分かりませんが、アマチュアとプロの違いを考えれば自明かと— 何某何処@アルファポリス、なろう (@IzukoNanigashi) 2020年1月6日
人通りの多い場所を選んだのは「助けてほしい」という気持ちもあったからだと思います。
そして
それを目の当たりにし、
写真撮ってあげて煽ってる人は、
人の死を利用してでも気を引きたいわけですから、
いい人生を送られてはないんでしょう、
と思います。— カカオ (@usuhjm) 2020年1月6日
オリンピックが過ぎたら、日本は、今以上にさらに貧困がすすみ、心が病む人が増えていくかもしれない。
この方は〈未遂〉らしいけど…
冷たい社会のせいで、心が病む人達が増えていく前に、人の心の痛みを想像できる力を養う…手を差し伸べられる社会づくり…が必要だと感じます。毎日べんきょう。
— 🤡番組名〈ワガママすずの、ワガママツイート〉 (@GALSHofficial) 2020年1月6日
道路工事の現場で働いている時に頭上の陸橋から飛び降り自殺の人が僕の目の前に落ちてきた体験があります(すぐに救急車を呼んで搬送してもらいました。その後のことはわかりません)。
その日一日どころか数日間は嫌な思いにとらわれたことを覚えています。あれを面白半分に撮る気には絶対なれません。— ルサンチマン (@gr7ja_r741) 2020年1月6日
自殺を写真を撮ることと死人が溢れる戦場を撮ることはどちらにしろシャッターを切るという単純な作業でしょう。しかしシャッターの切った人の心は明確に違うでしょう。その方の死をただただ嘲笑うために撮ったか、その方の死を無駄にせずこれからに生かすために撮ったかです。
続きます— Mi【LUF】 (@MiWWB) 2020年1月6日
この自殺を撮ってる人は記念撮影感覚なんだと思います
ただ、人が死んだ!珍しい!と思ってるから写真を撮って投稿しているのでしょう
そして他人の反応を見て楽しんでいる人もいます
僕は人が死ぬことは
そんなことに使っちゃいけないと思いますね
戦争などとは別物だと思います。— Warosu (@Warosu13) 2020年1月6日
戦場カメラマンは戦争の悲惨な状況を伝えることを職にしてる人であるから、一般の人と同じにしてはいけないと思う。
撮ってはいけないと思う理由は正直うまく表せない。日常とはかけ離れた「死」で好奇心が湧き写真を撮る事わからないことはないが、私はおかしいことであると認識してしまう。— じょん (@hamj3_5112481) 2020年1月6日
撮ってる暇あんなら救急車なり警察なり呼ぶべきじゃないですか?
しかも写真はそういうものを収めるものではありません。自殺なのに戦場カメラマンとか言ってんの、分かりやすく例えると貴方はアニメオタクキモイとか言ってるけどドラえもんは見ないの?みたいなこと言ってますよ— ねぶそく (@zaijuu) 2020年1月6日
新宿の首吊りをスマホで撮影する人が多数って、そんな写真を自分のスマホに記録したくないと思うんだけど、そういう考えは無いのか。鉄道の飛び込み事故でも隙間から撮影しようとする人がいるらしいし、単なるデジタルデータと言われればそうなんだけど、何かが狂ってる気がするなぁ。
— tokoya (@tokoya) 2020年1月6日
スマホ撮影が許さるケースも
ツイッターにあった反論の通り、啓蒙という信念のもと仕事として人の死を撮影しているカメラマンと、SNS上のバズや個人的な欲求を満たす目的での撮影はあまりに違いすぎると思います。
(中には下心先行の戦場カメラマン、逆に正義感のもとスマホ撮影する野次馬もいるかもですが)
今回の件は一切共感できませんが、例えば先日あった沖縄の首里城火災などは、一市民のスマホ撮影がSNS上に大量アップロードされ、それについては特に批判がありませんでした。結果として被害者はいませんでしたが、リアルタイムでははっきりと分かっていないことでした。
となると被写体の主役が被害者になってしまうとよろしくないのかなと思います。ただしまず優先されるべきは通報と、可能であれば人命救助ですので、そこのところの優先順位は見失わないよう、スマホ撮影者には最低限のモラルを持ち合わせて欲しいところです。