毒舌なのか差別なのか、大御所芸人ビートたけしの発言が物議を醸していました。私は完全にアウトだと思いますが、武の凄さに触れつつ騒動をまとめてみます。
ビートたけしの番組。スキージャンプの高梨沙羅選手に「整形」、フィギュアスケート・羽生結弦選手に「ホモ」と揶揄するだけでなく、トーク全体が「ホモネタ」まみれでゲンナリで…。事前収録なわけだけど、字幕入れてまで放送してよいものだとテレ東は判断したってことだよね…。 pic.twitter.com/C2oBi1av87
— 荻上チキ (@torakare) 2018年12月29日
スキージャンプの高梨沙良に「整形」発言。
フィギュアスケートの羽生結弦には「ホモ」。
ZOZOTOWN前澤社長には「ドジョウみたいなヒゲ生やして。金持ってなきゃ相手にされない」
と言いたい放題いっていました。
ちなみに「整形」の方はテロップ入りで、「ホモ」の方はテロップなしなの。 pic.twitter.com/kzLL06p90n
— 荻上チキ (@torakare) 2018年12月29日
整形にはテロップも入っていたそうです。
前澤社長への発言はギャグの範疇ですが、高梨と羽生に対してはビートたけしじゃなかったら降板レベルの問題発言です。
以前ビートたけしはワイドナショーに出演した際、
東野「たけしさんがワイドショー出るときに、
発言をセーブしてたりするんですか?」たけし「元経産省の古賀みたいに、本質を突かないよ」
松本「ちょっとうまいとこあるんですよね」
たけし「本質を突いたらプレッシャーかかるに決まってるんだから。
本質を突いてるようで、(野球の)チップだよ。ファールファール」中居「ジャストミートじゃないと」
たけし「文句言われたら、ファールじゃないですかって言えばいいんだから。
芸人はお笑いやってるから、頭は切れるんですよ。その枠内にかなり言いたいことは当てはめるから便利。ただ本質的には、たいして知らないっていう。本質的なことを突かないから便利」
みたいなこと言ってましたけど、今回は綺麗に打ち返してしまった感があります。
まあ島田紳助を筆頭に、芸人はその場のノリでそれらしいことをいう職業の方たちなので、上記の発言も本心じゃないのかもしれません。
そうはいっても「整形」特に「ホモ」は完全にラインを超えてしまいました。
ビートたけしの凄さ
映画監督としては現役の日本人では一番好きかもしれません。
ただ芸人としてとなると、私の世代ではイメージがほとんどないというのが正直なところです。
時折特番で被り物かぶってはいますけど、さんまや紳助のようにバリバリ一線でやってたのは1990年代頃までという印象です。というか96年まで続いていた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」でもほとんど猿回し役に徹していましたし、ビッグ3の中でも早々にお笑いから足を洗ってました。
そうはいっても過去の漫才やラジオを聞いてみると、その突出した面白さはわかりますし、あとは現在のバラエティ番組のパッケージを作ったプロデューサーとしての一面も優秀でした。
体張った芸人の活かし方や、スタジオとロケの分業制スタイルを確立したのはビートたけし(とあと多分テリー伊藤さんなんかも)でしょうし、芸人の肩書でお笑い以外でも手広く活動したのも彼がその走りでした。
あとはカリスマ性があるんでしょうね。
構成作家の高須光聖さんは、毒と優しさのさじ加減が絶妙でそこが男惚れする方、と最大限の賛辞を送っていました。
そんな天下をとったビートたけしもさすがに衰えてしまったんでしょうか、見極める力が低下し今回の失言に繋がり、あとは事務所の独立騒動でも批判を受けてしまっています。
都合が良すぎるビートたけし
つい最近吉田豪という書評家、インタビュアーの方に、自分の悪口を書かれたと勘違いしたビートたけしが恫喝してしまうという事件がありました。
自分の間違いに気付いたビートたけしは謝罪して吉田豪の本に推薦文を書くなど、そこのフォローはさすがで解決はしているんですが、「その商売にまるっきり関わったことがない人が言うのは許せない」みたいなこと言ってたのに、フィギュアやスキージャンプにまるで関係のない方が、これまた競技に関係のないセクシャリティや容姿に関して腐すのは、完全に矛盾してます。
大昔はダウンタウンも柔道の谷亮子に不細工発言して酷い事言ってましたけど、彼らは時代に適応して今はうまくやっています。
ただ逆にいうとビートたけしはダウンタウンに比べて丸くなってない、芸人らしいともいえるので、必ずしもダウンタウンのやり方が正しいとも言えない気もします。
何故こうなったのか
私は見てないんですが、ニコニコ超会議に出演されたときにの、TVじゃ言えないレベルの毒舌トークが偉く評判が良かったので、これに気を良くして飛ばし過ぎた感があります。
あとは単純にセンサーが衰えてしまったのか、独立騒動での精神的な疲弊もあったかもしれません。
高梨の整形と羽生の性
羽生選手のセクシャリティに関しては論じること自体問題があるのかなと思います。百歩譲ってホモにホモと言っていたとしても多分問題ありです。
高梨選手は私は整形してないと思ってます。
高梨沙羅ちゃんをネットで検索すると、「整形疑惑」が出てくるけど使ってる写真が悪いだけで、もともと可愛いから大人になったらメイクでキレイになるのは当たり前だと思う( ´-ω-) pic.twitter.com/q4fkVVWLPL
— MASAMASA (@inspirit18890) 2018年1月20日
女性の化粧の恐ろしさを知っているので(タケシさんは私の何倍も知ってるでしょうけど)、あの程度の変貌ぶりは想定の範囲内です。
鼻の高さだけは化粧じゃどうにもならないですが、横の同じ角度から比較したまともな比較画像を今のところは見たことがないです。少なくとも根拠はないので、この辺の決めつけはネットの怖いところかなと思います。
(ノーズシャドウ効果で真横以外からのアングルだと高く見せることは可能)
ネットの反応
最悪過ぎる。もう引退してくれ。
テレ東もなんでこんなのを普通に放送してんの。生放送じゃないんだから編集でカットできるでしょ。
“スキージャンプの高梨沙羅を「整形しただろ」、フィギュアスケート・羽生結弦選手を「ホモだろ」と暴言を連発”https://t.co/XTaizQfnF9
— かつかつ主夫 (@katsu2_shufu) 2018年12月28日
子供の頃TVで沢山楽しませて貰ったから嫌いになりたくないのよね。今まで通り我慢して黙ってた方がいいと思いますよ。
— Amber_Tan (@AmberTan0923) 2018年12月29日
やっぱり、いい歳して嫉妬かな!?
— ゆづメイト (@9Zz6uio3W4Xxzry) 2018年12月29日
劣等感とか。。
多才な人なのに勿体無いですよね。晩節を汚さないように注意して欲しいです。— Amber_Tan (@AmberTan0923) 2018年12月29日
ビートたけしは自身の監督作が海外で高評価を得る中日本では評価が低かった事で大分苦い思いをした経験があるのだから、羽生選手のような立場を理解できる人物であるかと思ったのだが、そういう感覚は持ち合わせていないようですね。逆に拗らせてしまったか。以前から必死に隠してるけど出てるよね。
— Amber_Tan (@AmberTan0923) 2018年12月29日
ただの凡庸な偏見とありがちな悪口にすぎないものを「たけしでないと言えない」「たけしならではの毒舌」みたいに持ち上げる視聴者側の感覚は、いかにも芸能“界”的感性を内面化させられた、「テレビ化」されたパーソナリティという感じがしますね。業界通ぶりたい、みたいな。 https://t.co/Gr7ENAVe99
— じこぼう (@kinkuma0327) 2018年12月29日
毒舌でも何でもない。日本のどこにでもいるありふれたおじさんの、偏見にまみれた、便所の落書きレベルの発言が、テレビで流れてしまっているだけ。恥ずかしいことだね。
ビートたけし大暴走 「羽生結弦はゲイ」「ZOZO前澤社長は金なきゃ相手にされない」 | しらべぇ https://t.co/ka4EsTcawU
— のび (@hanakazenaore) 2018年12月28日
なんやろな。日本の芸能界って平和とか人権とかを口にしたら叩かれるけど「あいつホモだろ」みたいな発言はウケるってことなんか。ビートたけしさんのお弟子さんにフォローはされてるけど、私の中で殿のイメージは下がったわ。時代遅れのつまらない発言だわ。
— とみ (@meow164) 2018年12月28日
話の前後が分からないけど、これだけ読むと、たけしさんも歳を召したな。
と、いう感じ。— TAROPA (@TAROPA6) 2018年12月29日
差別は「節」じゃない。
「この日も「たけし節」は健在。」
ビートたけし大暴走 「羽生結弦はゲイ」「ZOZO前澤社長は金なきゃ相手にされない」 | しらべぇ https://t.co/fJkFEAL76G
— TOKYO NO HATE (@tokyonohate) 2018年12月28日
まとめ
さすがに今回の発言に関しては批判的な意見が集まっていました。
ただビートたけしさんクラスになると余程のことがない限り仕事に影響はないでしょうね。そもそも今更仕事失っても、ウワサの愛人しか困らないでしょうし既にやる事をやり切ったビートたけしさんにとっては何のダメージもないと思います。
ただ北野武のシリアスな映画って主人公が最後死ぬことが多いんですよね。そんな刹那型の生き方にタケシが美学を感じている節はあるので、これからも死ぬことを恐れないヤンチャな言動はもしかすると増えてくるかもしれません。