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ケーキ屋「エス・コヤマ」エロゲー無断使用 建物に著作権はない?

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ごく普通のケーキ屋がアダルトゲームに建物の外観そのままで使用され問題視されています。

被害を受けたのは人気洋菓子店の「パティシエ・エス・コヤマ」。問題のエロゲームは「喫茶(カフェ)ステラと死神の蝶(ちょう)」。建物の著作権に視点を置いてこの件を考えてみます。

「パティシエ・エス・コヤマ」はイメージを損なわれたとしてかなりお怒りです。それもそのはずこのケーキやは「未来製作所」という12歳以上の大人はTV取材のカメラマンであっても店内には入れない店舗も経営するなど、健全なイメージが売りでした。

それが突然無断で18禁まがいのエロゲーの舞台にされたらたまったものじゃありません。個人的にはこのケーキ屋の主張に筋が通っていると感じます。

 

【画像】ケーキ屋とエロゲー トレース案件

兵庫県三田市にある人気のケーキ屋です。

↑ 旧「パティシエ・エス・コヤマ」の外観。

↑ 喫茶ステラ。つまりエロゲーム内の店舗です。ここが甘いやり取りの舞台となってしまいました。

↑ 現在の「パティシエ・エス・コヤマ」。騒動は無関係だと思いますが外装が変わっています。

エロゲーオタの聖地巡礼

小説や映画の舞台となった場所をまわる聖地巡礼の対象となっていました。

ケーキを購入してまで貢献している方は少なかったです。

 

建物に著作権はない

心情的にはケーキ屋に肩入れしていますが、原則建物に著作権は認められていません。

以下それらを定めた著作権法の一部です。

著作権法第 46 条

「美術の著作物でその原作品が〔街路,公園その他一般公衆に開放されている〕屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は,次に掲げる場合を除き,いずれの方法によるかを問わず,利用することができる」

「次に掲げる場合」とは,①彫刻の増製とその譲渡,②建築の著作
物の建築による複製とその譲渡,③屋外の場所に恒常的に設置するための複製,④専ら美術の著作物の複製物の販売目的での複製とその販売,の 4 つである。この 4 つの利用形態を除き,屋外に恒常的に設置されている絵画や彫刻の原作品,また,建築の著作物は,著作者人格権を害しない限り,自由に利用することができる。したがって,例えば,これらを写真撮影し,インターネット上で公開することは自由である。

ざっくりいうと一部の美術的な建築物以外はトレースしようがネットに公開しようが自由というルールです。したがって例えば漫画家さんが自身で写真撮影してそれらを漫画作品に使うことは自由ですし、映画の撮影でも建物に対して著作権料を払う必要は原則ありません。

ただし他人がとった写真に対しては著作権が発生する場合があるので、「喫茶(カフェ)ステラと死神の蝶(ちょう)」を開発した『ゆずソフト』が自前でトレース用の写真を用意したかがまず争点となりそうです。

著作権問題に関してはケーキ屋に対してやや批判的な意見も目立ちました。ただ個人的に思うのは道義的な問題として、エロゲーに使うのであれば事前に話を通して許可を貰っておくのが筋かなとは思います。

まあクリエイターとしてはそんな悠長なことしていられないという実情はあるでしょう。このゲームが仮にクリエイティブなものであれば私の考えも変わるかもしれません。

以下関西学院大学大学院司法研究科の丸山敦裕教授の見解。

「性的な場面で使えば営業妨害になる可能性もあるが、背景に使うだけなら削除などを求めるのは難しい」

とのことです。

店側は以下のようにコメントしています。

「年齢制限があるゲームの性質上、客に不快感を与えかねない」

「(制作側に)許可していないということは皆に知ってほしい」

やはり著作権というより営業妨害の観点で措置をとることになりそうです。

 

ネットの反応めとめ

賛否ありました。

ケーキ属性よりもエロゲー属性のある方の方がネットに精通してそうなのでツイッターでのレスバトルでは後者に分があるかもしれません。

 

パティシエ・エス・コヤマのケーキ美味しそう

最後のは子供しか入れないという未来製作所のエリア。

コンセプトもケーキも良質なお店でしたが、アダルトゲームの舞台となってとんだ風評被害を被ってしまいました。そのうち落ち着くとは思いますがしばらくは聖地巡礼などネタにされそうです。










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