UFC226にてヘビー級王者、そして現在世界でも最も強い男として評価されていた(はず)のスティーペ・ミオシッチが、本来階級下のコーミエに敗れる波乱が起きてしまいました。
格闘技の試合はどういう結果になろうとも、それがその先の面白いストーリーを生んだりするものですが、今回のこの結果は、タダでさえ停滞している総合格闘技のヘビー級戦線を更に白けさせるような気がしています。
では試合や今後のヘビー級について。
コーミエ対ミオシッチ
試合内容はコーミエの完勝でした。
コーミエはヴェラスケスとトレーニングしていたらしいですが、ヴェラスケスは怪我さえなければ依然ヘビー級トップコンテンターなのでいい練習ができたのでしょう。
ミオシッチは耐久力も高いんですが、離れてもストレートが見切られて、組んだり近い距離での打ち合いに付き合わされて、自分の距離で戦えなかったですね。
KOシーン
KO負けはストルーフェ戦以来でしょうか。ミオシッチはストレートに依存した戦い方を変えないと次も負けてしまうかもしれません。
コーミエは卑怯
試合後のミオシッチ
顔の傷からサミング(アイポーク)を多用されたとの話もありますが、私は一度しか確認できませんでした。
指を開いてコンビネーションに組み込んでいる節があるので、私の中ではギリギリアウトですが、ルール上この程度のサミングは一発レッドにならないでしょうし、一応ダーティファイトの範疇になるのかなと思ってます。
ミオシッチも細かい事グダグダ言うタイプではないので、今の所は言及していないようです。
あとコーミエといえばこれ
計量オーバーしてしまって、裸で体重を計ることになったのですが、股間を隠すために使用しているタオルを持って体重を軽くするトリック(笑)
さすが総合格闘技、いろんな技術があります。
このずる賢い計量をクリアして、オレがんばったぜの表情をしていたコーミエが忘れられません。ただこれもバレていないですからね。コーミエは賭けにかったわけです。
褒められた行為ではないですが、相手陣営か運営がその場で指摘するべき事案だと思います。
世界最強不在
このコーミエという選手は、ずっとライトヘビー級で戦っていました。
そこでも強かったんですが、常にジョンジョーンズというライトヘビー級にしては規格外の骨格の選手の後塵を拝していました。
結局ライトヘビー級では最強を証明していない状態で、ヘビー級の王者になってしまうという、訳の分からない状態になってしまったわけです。
(ボクシングでロイジョーンズがヘビー級に挑戦した時は、ミドル級で最強を証明してからでしたし、ヘビー級の存在意義って・・・という状態です。)
しかもそのジョンジョーンズという選手はドーピングやら素行不良の問題で、UFCを追放状態なので、世界最強の象徴ともいえる選手が今はいなくなってしまったのかなという印象です。
ブロックレスナーも参戦
2分30秒ぐらいからレスナー登場(笑)
勝ったコーミエを挑発しています。
これは一応レスナーとコーミエ対戦の流れなんでしょうか。まあレスナーにとっては相当美味しい相手でしょうね。
他のランカーのヴェラスケス、ファブリシオ、アリスター、ミオシッチよりは圧力という圧倒的なアドバンテージがある分、組みし易い相手のはずです。(勝てるとは言っていません)
レスナーはUFCに上がる資格がない
レスナーは大好きな選手ですけど、打撃を怖がるクセが最後まで抜けませんでしたし、その上ドーピング常連すぎて、UFCにまた上がる資格があるのかどうか疑問ですね。
まあコーミエとしても美味しい相手ですし、ファイトマネーで対価があるのであれば、薬物レスナーでも上等って感じなのかもしれませんが。
ただレスナーもコーミエもヘビー級に長く留まるつもりないような気がするんですけど(笑)
ベルトの持ち逃げのような結果になってしまうと、ヘビー級の格が落ちてしまうのでダナホワイトにはその辺を上手く管理して欲しいです。
コーミエおめでとう
色々言いましたけど、コーミエは存在も行為も反則だらけだったジョンジョーンズの割を食っていたので、今回の結果はご褒美ともいえるかもしれないですね。
個人的には身長も階級の基準にするべきと思っているので、ジョンジョーンズがライトヘビーに居座るのは反対でした。あまりに規格外の身長は格闘技の技術体系を壊してしまいます。セームシュルトやワルーエフとかもそうでした。
次はレスナー戦なんでしょうか。レベルはともかく面白くはなりそうですね。何だかんだ滅茶苦茶楽しみです(笑)
勝った後に薬物発覚したハント戦みたいな結果だけは無しでお願いしたいところです。