吉本興業の岡本昭彦社長が記者会見を行い、契約解除とされた宮迫博之や田村亮との和解を望んでいる、また一連の騒動の責任をとって自身の給料を1年間50%減俸すると発言し各方面から批判されています。
また記者会見の中で『吉本興業のギャラ事情』について言及する場面があり、巷で言われているような会社側が搾取している状況ではないとして、具体的なギャラの取り分の比率も明かしたのですが、一部の芸人から「嘘」と指摘されています。
6分30秒ぐらいからギャラの話。
以下ギャラの分配比例についての岡本社長の見解
・1:9と言われているようなことはない。平均的には5:5か6:4ぐらい
・人によるし個々の違いもある。安い子もいるのも事実だが、自社の劇場ではNSC出たての子がイベントに出て、機材費やら色々含めて300円とかいうこともある。
・ギャラ事情の改善については具体的な方策はなし。(大崎洋会長も先日ここは変えるつもりはないと発言)
岡本社長のこの主張は、一部芸人達からは批判されていました。個人的にはことギャラの分配に関しては吉本興業の主張を支持しています。
ギャラ折半の真相は
弁護士同伴の会見で露骨な嘘をつくのは考えにくいので事実であるのは間違いないと思います。真相としては平均というのは人数じゃなくて全体の金額ベースの話をしているのかなと予想しています。
つまり例えば100人の芸人がいたとして、そのうち二人のギャラが1億円の9割、98人が10万円の1:9であれば全体人数の平均としては1:9ですが金額はまるで違う比率になってきます。吉本としては多くを所属芸人に支払っているという主張は一応嘘にはなりません。
(明石家さんまや松本人志と浜田雅功のダウンタウンなどはさすがに1割のギャラのみで納得しないでしょうし、会社の象徴でもあるので高いギャラを与えないと対外的にもよろしくないです。)
ということでちょっとズルいですが岡本社長のギャラの話は嘘には当たらないと思います。
吉本芸人からの批判
吉本興業に所属する芸人から批判続出でした。
岡本社長「給料は5:5か4:6とか」ってなに?嘘やろ?若手のライブは全部チケット売っても0円ばっかだったぞ?俺は単独ライブで100枚売ってもギャラ2000円だったぞ?会場は急遽キャンセルで空きが出た会場を吉本が連日激安で借りたとこだったぞ?¥1500×100人で15万だぞ?14万8千円は上納金だろ?
— エッグ矢沢 (@EggYazawa) 2019年7月22日
エッグ矢沢さん。ライブではギャラ0円ばっかりだったと主張。
この時は9:1でも5:5でもどうでもよくなる金額だけど12月に単独100人埋めて1万円のギャラってことは劇場の上がりは2万だったのか。
確かチケット代は1500円だったな
ん、算数難しぃなぁ pic.twitter.com/OPLtw5DWTE— ゲルマニウム須貝🐣 (@geruma11) 2019年7月22日
ゲルマニウム須貝さん。計算が合わないと皮肉も。
ギャラ
5:5だったのかてことは、私が海外に約1週間行ったあの仕事は、吉本は2万円で引き受けたのか!
優良企業。— キートン (元、増谷キートン) (@masuyakeaton) 2019年7月22日
増谷キートンは闇営業専用のご意見番といっても過言ではありません。
9:1じゃなく5:5?ほほう。
品川で初単独やった時。
445席即完して。グッズも完売して。
ギャラ2000円だったなぁ。
御茶ノ水男子2人で4000円。
9割9部9厘:1厘の間違いでは。
それを社員さんに抗議に言ったら仕事減らされて。
いい思い出だなぁ。
— 佐藤ピリオド. (元御茶ノ水男子) (@fugashiou) July 22, 2019
佐藤ピリオド.さんはギャラ2000円。
月の給料が振り込まれていなかった。当時レギュラー番組をやっていたので手違いだと思ってと吉本の社員に電話すると
「金の事で文句言うなら辞めていい。生活費は親から借りたらいい」
12年間所属した吉本興業を昨秋やめた時の最後の電話です。— 星野和之 (@bkshoshino) July 20, 2019
星野和之さんに至ってはギャラ未払いだったそうです。
個人的には彼らの気持ちも分かる反面、ギャラ事情に関しては吉本興業の言い分も分かります。後述します。
ネットの反応
吉本興業、売上約500億弱あって、芸人さんと何ら契約書交わしてない状態を税務署が良しとしているのが不思議だ。またギャラを9対1で吉本が取るのなら、その9割りを取るなりの仕事量を証明しないと芸人から吉本へ贈与があったとみなすというのが通常の税務署の見解だ。所轄の税務署の見解を知りたい。
— 長谷川高 (@hasekei8888) 2019年7月20日
学園祭に芸人呼んだら30分で50万とかだったけどなぁ
— ぺやんぐ(一般人) (@peyan__taisen) 2019年7月22日
労働者の視点で給料安い吉本興業は批判されるべきなんですが、芸能界の視点で批判される筋合いはないと思います。
パラハラは共通で批判されるべきだけど。
所属することを条件に吉本興業から案件を引き受ける代わりにギャラという成功報酬で受け取るんでしょう?
時給換算で働く私達の世界とは違う。— クローケン (@toneri3622) 2019年7月22日
芸人さんと契約書を交わしていないから吉本側はやりたい放題ですよね😠
契約書を交わしていれば仕事をいくらで受けて会社と芸人さんの取り分の割合が分かるのに。— 恐獣ミサイル (@spacemissile1) 2019年7月22日
きよし師匠、文枝師匠は9(芸人):1(吉本)です。
キートンさんは間違いなく1(芸人):9(吉本)でしょうね。
全員で平均したら5:5くらいゆーてますから。
— のぉ (@lygalph) 2019年7月22日
契約書がないなら芸人さんは自営業になる。ひまなときに自分で営業しても何ら問題ないはず。芸人の売上を全部会社に振り込ませ営業経費を差し引いて残りを振り込む形態なら派遣社員契約を結ばなければならない。それでも暴利をむさぼるブラックな会社は指弾されるべき。
— Hicklie Kaeru (@kaeru_2010) 2019年7月20日
金勘定が合いませんよね?
8000人社員が居たとして、均一に分けても年で600万は貰えている計算になりますよね。
約250億で計算しても300万…。
一体、どこに消えているんでしょうね?— 宇部守@犯罪心理カウンセラー (@EbiyOLuN6zy3e30) 2019年7月20日
政府の都合なんでしょうね。以前から当たり前に行われていた事が、今回の事件で表面化。政府と財界、芸能界とテレビ局。理不尽な現実に多くの芸人さん達が泣いた事でしょう。金が絡むと闇が生まれるのは、日本だけなのでしょうか。視聴者、消費者としてもう一度、考える時代に成りました。無視は駄目。
— ポットンピッポンさん (@quickdokidoki) 2019年7月20日
政府の都合なんでしょうね。以前から当たり前に行われていた事が、今回の事件で表面化。政府と財界、芸能界とテレビ局。理不尽な現実に多くの芸人さん達が泣いた事でしょう。金が絡むと闇が生まれるのは、日本だけなのでしょうか。視聴者、消費者としてもう一度、考える時代に成りました。無視は駄目。
— ポットンピッポンさん (@quickdokidoki) 2019年7月20日
吉本のやつさ、ギャラが5:5なわけないって色々な芸人さんが皮肉っているけれどさ、「◯◯万売り上げたのに!」てのはちょっと無知過ぎるかなと。ギャラは売上の中からじゃなく、会場費とかグッズ仕入費用を差し引いた利益の中から出るものでしょ。だからそれはちょっと話が違ってきちゃうと思った。
— もちょ (@7034mochoko7034) 2019年7月22日
吉本のギャラの話だけど、島田洋七さんが佐賀のがばいばあちゃんでヒットさせた印税を巡って衝突したのを思い出すよなぁ‥ 映画になる前になんば花月で島田洋七さんの舞台が終わってから本にサインしている姿を拝見しましたけど、またメディアに出てきて欲しいなぁ
— ケン・サスガ (@ken_sasuga) 2019年7月22日
吉本のギャラの配分がおかしい事はテレビでもガンガン言われてたし、経営陣のパワハラ体質も内部の芸人さんたちは知らなかったのかな?
そもそも興業と名のつく会社と反社との関連は想像に難くないし、何でここに来て皆さんが一斉に経営陣批判してるのだろうか。
なんか裏で描いてる画があるんじゃ。— ちゃん貴 (@butsuyokukaisho) 2019年7月22日
吉本のギャラ事情にガタガタ言う芸人
はじめに言っておきますが別に吉本興業なんざ知ったことではないです。特に反社会勢力との繋がりという最も大きな問題点は割と有耶無耶になっていましたし、社長の退任ぐらいでは収集がつかないレベルの状況だと思っています。それはそれとして、吉本興業に対してギャラが安いとガタガタいってる芸人に同調することはできないです。
虫が良い一部の吉本芸人
そもそも吉本興業のギャラが異常に安いのは業界では常識なわけで、それでも彼らは吉本興業に自ら率先して入所してるわけです。ギャラが安いにも関わらず吉本にやってくるというのは、『露出の機会が多い』『芸人同士横の繋がりを持ちやすい』『優秀な先輩にハマれば仕事を貰える』など各種のメリットの方が上回ると判断して吉本興業を選択しているわけです。
吉本にいたおかげで先輩にキャラ付けしてもらって知名度を上げたような芸人が、ギャラの安さに後付けでガタガタいうのはかなり虫が良いです。(勿論ギャラ交渉したら干すとか未払いとかそれは論外だと思います。)
この辺はブラック企業とほとんど同じ構造ですね。社員が文句言うのは分かりますがそこに入社したのは自分の意思なわけで、後付けで家族の生活がと言われても知ったことではないという話です。
芸能界全体のピンチ
とはいえ法律上は全く別の話になってきます。最低限の賃金を与える義務や、書面での契約などこれから変革を強いられるかもしれません。ただこの辺は吉本興業だけの話ではないです。
例えば映画やドラマの撮影なんかは完全に労働基準法に違反した拘束時間になってますし、法律を順守させ個人事業主というていが通用しなくなるのであれば、将来的には吉本興業だけじゃなく芸能界全体に波及する問題のように思います。岡本社長はこの問題を解決し吉本に踏みとどまることができるでしょうか。個人的には退任しないと収拾がつかない気がします。